ブライダルチェックは、一般産婦人科や不妊治療専門のクリニック、泌尿器科などで受けられます。しかし、医療機関によっては検査内容に違いがあり、男性のみでは受診できないケースもあるため注意が必要です。
今回の記事では、ブライダルチェックを受けられる診療科や医療機関の選び方、主な検査内容などをわかりやすく解説します。
ブライダルチェックとは
ブライダルチェックは、将来の出産や妊娠に影響がある問題や、妊娠中や出産後に問題となるような感染症がないかを確認する検査です。
将来的な妊娠に備え、健康的な生活を送るための基盤を築くきっかけとなります。
また、不妊治療が必要となってからではなく、妊活開始前にも健康状態をチェックすることができるため、万が一問題があった場合には早めに対応することが可能です。
ブライダルチェックはどこで受ける?
ブライダルチェックは、主に以下のような医療機関で受けられます。
- 婦人科・産婦人科
- 不妊治療専門のクリニック
- 泌尿器科
ブライダルチェックの内容は各医療機関によって詳細な検査内容は異なり、男女間でも内容が大きく異なります。
ここでは、女性や男女ペアで受ける場合、男性のみで受ける場合に分けて解説します。
女性や男女ペアでブライダルチェックを受ける場合
女性や男女ペアでブライダルチェックを受ける場合、婦人科・産婦人科や不妊治療専門のクリニックが主な選択肢となります。
婦人科・産婦人科は医療機関数も多いため、比較的受診先を見つけやすいメリットがあります。受診歴のある医療機関があれば、過去の症状や治療を含めた相談もできるため安心です。
ただし、不妊治療が必要となった場合には、高度な治療は実施していない施設もあり、治療の段階に応じて受診先の変更を求められるケースもあります。また、男女ペアで受けたい場合は、男性が利用できない婦人科などもあるため、ルール等を確認した上で受診するようにしましょう。
不妊治療専門のクリニックでは、妊娠に関わる検査や治療を中心に、専門的な体制が整えられています。不妊治療を専門とする医師が関わるケースも多く、妊娠に関する検査や治療の選択肢は広がります。ただし、婦人科・産婦人科と比較すると施設数がそこまで多くないため、利便性には地域差もあるでしょう。
「まずは今の状態を知りたい」「結果次第では不妊治療をはじめたい」など、ブライダルチェックの目的や自分とパートナーの気持ちにあわせて検討しましょう。
男性がブライダルチェックを受ける場合
婦人科・産婦人科や不妊治療専門のクリニックでは、男性のみでのブライダルチェックを実施していない医療機関もあります。
婦人科・産婦人科や不妊治療専門のクリニックにおいて男性のみでブライダルチェックを受ける場合、まずはルール等を確認するのが良いでしょう。
そのほかでは、泌尿器科も選択肢となりますが、ブライダルチェックを実施していない泌尿器科も多いため、こちらも事前に確認をするようにしましょう。
ブライダルチェックを受ける医療機関の選び方のポイント
ブライダルチェックを受ける診療科について理解していても、実際に医療機関を選ぶ場面では、判断に迷うこともあるかもしれません。
ブライダルチェックは医療機関によって検査内容の詳細が異なるため、自分の把握したい情報が検査内容に含まれるか、という点を選ぶ際のポイントにしましょう。
例えば女性のブライダルチェックでは、以下のような検査項目が例として挙げられます。
- 経腟超音波検査
子宮や卵巣の状態を観察する検査。不妊症の原因にもなる子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍などの疾患の有無も確認する。
- AMH値
卵巣予備能を判断するための検査。残存する卵子の数や、排卵誘発時に反応する卵胞の数を評価する指標となる。
- 女性ホルモン値
E2(エストラジオール)、LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)などの女性ホルモン値は、卵巣機能の評価の指標となり、排卵障害の有無や原因の評価に利用される。
上記は一例ですが、いずれも将来の妊娠に関連する検査であり、希望する場合はブライダルチェックの検査項目に含まれているか確認するようにしましょう。
男性のブライダルチェックの例は以下のとおりです。
- 精液検査
精液を調べ、男性の妊孕性(にんようせい:妊娠する力)を確認する検査。精液量、精液中の精子濃度、運動率などを確認する。
- 男性ホルモン値
精子をつくる精巣の活動に関連するホルモンバランスなどを確認する検査。LH(黄体形成ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)、T(テストステロン)などの値を確認する。
男性の場合は精液検査やホルモン値の検査が一般的ですが、医療機関によってはオプションの扱いとなるケースもあるため、自分の希望するものがあるか確認してから申し込むようにしましょう。
検査後のことも考えると通いやすさも重視するポイント
ブライダルチェック後にもし何か問題があったり、治療の必要性があった場合、継続して通院するケースもあります。その際には通いやすさも重要なポイントのひとつです。
参考になる情報として、不妊治療中の女性を対象に行われた「医療機関選択に関する調査」があります。
この調査の結果では、「現在の医療機関を選んだ経緯」という質問に対して最も多かった回答は、「自宅や職場から通いやすい場所にあった」(42%)という選択肢でした1)。
この点からも「通いやすさ」は、重視されるポイントであることがうかがえます。
先に挙げた検査内容のポイントと合わせて、通える場所にあるかという点と、自分が通える診療日や診療時間であるかも含め、調べるのが良いでしょう。
ブライダルチェックの主な検査内容
女性ブライダルチェック、男性ブライダルチェックそれぞれの検査内容について解説します。
女性の一般的な検査
女性のブライダルチェックは、将来の妊娠や出産を見据えて、妊娠前の体の状態を確認するための検査が行われます。
主な内容は、月経周期や月経痛などの問診、内診・経腟超音波検査による子宮や卵巣の形態評価です。あわせて、女性ホルモン検査やAMH検査を実施し、卵巣の働きや年齢に伴う変化を把握します。
また、クラミジアやHIVなどの性感染症検査、風疹抗体検査なども行い、将来的な不妊や妊娠合併症のリスクを確認します。
トーチクリニックの女性ブライダルチェックの検査内容については、以下のページで詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
関連ページ:女性ブライダルチェック
男性の一般的な検査
男性のブライダルチェックは、主に生殖機能や全身の健康状態を確認します。
代表的な検査は精液検査で、精子の数や運動率、形態などを評価し、妊娠に関わる基本的な指標です。男性の場合も、感染症検査や風疹抗体検査、男性ホルモン検査が行われる場合もあります。
トーチクリニックの男性ブライダルチェックの検査内容については、以下のページで詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
関連ページ:男性ブライダルチェック
ブライダルチェックの費用の相場は?
ブライダルチェックの費用は医療機関によって異なり、最低限の検査項目のものから、フルスクリーニングで実施するプランもあります。
女性向けであれば10,000〜50,000円台、男性では5,000円〜40,000円台のプランが比較的よくみられる価格帯です。
トーチクリニックの女性ブライダルチェック、男性ブライダルチェックについて解説します。
女性のブライダルチェックの費用
トーチクリニックの女性ブライダルチェックには3種類のプランがあり、詳細は以下のとおりです。
全てのプランに「医師によるカウンセリング」「超音波検査」「AMH検査」が含まれています。
妊活セットでは血液検査が追加され、「女性ホルモン基礎値」や「クラミジア抗体検査」などが含まれます。妊娠にむけた体の状態をより詳しく調べることが可能です。
さらにフルスクリーニングセットになると「子宮頸がん検診」と「血糖」「HbA1c」も追加され、妊娠や出産、生活に関わる検査内容まで網羅されています。
男性のブライダルチェックの費用
トーチクリニックでは男性ブライダルチェックも3種類あり、詳細は以下のとおりです。
男性ブライダルチェックでは、全てのプランに「医師によるカウンセリング」「精液検査(一般検査)」が含まれています。
妊活セットでは「男性ホルモン基礎値」や「クラミジア抗体検査」を調べることが可能です。
フルスクリーニングセットになると精液をより精密に検査する「DFI検査(「精子DNA断片化検査)」「TAC検査(精液抗酸化力検査)」が追加されます。
ブライダルチェックは保険適用になる?自由診療?
ブライダルチェックは病気の治療を目的とした検査ではないため、原則として保険適用外です。自由診療で全額自己負担となる点を把握しておきましょう。
ただし、ブライダルチェック後の追加の検査や治療については、保険診療に該当する症状があった場合には、保険適用となるケースがあります。
ブライダルチェックを受けるタイミング
ブライダルチェックを受けるタイミングに明確な決まりはありませんが、以下のようなタイミングで受けるのが一般的です。
- 結婚を控えていたり、妊活をはじめようと思っている
- 将来的な妊娠希望がある
- 妊娠や出産に関わる自分の体の状態を知りたい
このように、妊娠や自分の体について少しでも気になりはじめたときが、ブライダルチェックを受けるタイミングといえるでしょう。
また、ブライダルチェックは結婚を予定しているカップルだけが受けるものではありません。パートナーの有無に関わらず、女性のみや男性のみで受けることも可能です。
ブライダルチェックを受けるタイミングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:ブライダルチェックを受けるタイミングは?いつやるか、生理中か生理後がよいのかなども解説
ブライダルチェックに関するよくある質問
ブライダルチェックに関するよくある質問に回答します。
Q. ブライダルチェックと不妊検査の違いは?
A.ブライダルチェックと不妊検査は、いずれも妊娠や出産に関わる検査です。しかし、検査を行う目的や対象者に違いがあります。
ブライダルチェックは、今の体の状態を確認し、将来の妊娠や出産に向けて気をつけておきたいことなどを知るための検査です。妊娠や出産に向けて体の状態を知りたいすべての人が対象となります。
一方、不妊検査は、妊娠を希望しているもののうまくいかない状況が続いている場合に、背景や要因を整理し、今後の対応を考えるために行われる検査です。
両者の調べる項目には共通する部分も多く、はっきりと線引きできないケースもありますが、検査の目的によって重視される内容や進め方が異なります。
ブライダルチェックと不妊検査の違いは、以下の記事にて詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:ブライダルチェックと不妊検査の違いは?検査内容や費用、保険適用の有無や助成金など
Q. 婦人科・産婦人科と不妊治療専門クリニックのどちらに行けばいい?
A.婦人科・産婦人科と不妊治療専門クリニックのどちらを選ぶかは、いま知りたいことや検査の目的によって変わります。
婦人科や産婦人科は、不妊治療に限らず一般的な婦人科領域の治療や検査を幅広く受けられる場合も多く、妊活の時期以外でも継続して受診することができたりします。
不妊治療専門クリニックでは、妊娠に関わる検査をより詳しく行い、妊活に向けて将来を見据えた評価や説明を受けることに向いていると言えます。もしなにか問題があったとき、体外受精などの専門的な治療に対応できるケースも多くなっています。
どちらが正解というわけではないため、今の体の状態や将来的なことも見据えて選ぶようにしましょう。
Q. 男性は泌尿器科で検査を受けるのがいい?
A.男性の場合は泌尿器科でブライダルチェックや検査を受ける場合にはメリットとデメリットがそれぞれあります。
メリットのひとつは、もしブライダルチェックや不妊検査で問題があった場合、その原因に対する治療がそのまま受けられるケースがあります。例えば、精索静脈瘤は男性の代表的な不妊の原因となる疾患ですが、専門的な泌尿器科であれば手術を同じ施設で受けられる可能性があります。
一方で、妊娠を目指すための治療(人工授精や体外受精など)は泌尿器科では対応していないケースも少なくありません。また、男性のブライダルチェックは実施していても、女性のブライダルチェックは実施していないという泌尿器科も少なくないため、パートナーと同じ医療機関で受けたい場合は不妊治療専門のクリニックなども検討しましょう。
男性側のブライダルチェックも自分やパートナーの状況や希望に合わせて医療機関を選択するようにしましょう。
Q. ブライダルチェックは男女ペアのカップルでも受けられる?
A.ブライダルチェックは男女ペアのカップルでも受けることが可能です。
不妊の原因は女性だけでなく、約半数は男性にも関連していることがわかっています。男女ペアでブライダルチェックを受けることで、お互いの体の状態を知るよい機会となるでしょう。
また、事実婚を含む夫婦の男女ペアでブライダルチェックを受ける場合、条件次第では助成制度を利用できる自治体もあります。
ブライダルチェックは男女ペアでも受けるメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連ページ:ブライダルチェックは男女ペアが良い?カップルで受けるメリットや検査内容について解説
おわりに
参考文献
1)前田恵理, 永野妙子, 松本亜樹子, ほか. 不妊治療中の女性における医療機関選択に関する質問紙調査. 厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)分担研究報告書, 2022.
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202207015A-buntan4_0.pdf

