「ブライダルチェック」は男女ペアで受けよう。結婚予定に関わらず検査が必要な理由は?

最終更新日時:
2024-05-02
市山 卓彦
市山 卓彦 医師
院長 婦人科 生殖医療科 医師
2010年順天堂大学医学部卒。2012年同大学産婦人科学講座に入局、周産期救急を中心に研鑽を重ねる。2016年国内有数の不妊治療施設セントマザー産婦人科医院で、女性不妊症のみでなく男性不妊症も含めた臨床及び研究に従事。2019年には国際学会で日本人唯一の表彰を受け、優秀口頭発表賞および若手研究者賞を同時受賞。2021年には世界的な権威と共に招待公演に登壇するなど、着床不全の分野で注目されている。2019年4月より順天堂浦安病院不妊センターにて副センター長を務め、2022年5月トーチクリニックを開業。
医学博士、日本生殖医学会生殖医療専門医 / 日本産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科学会専門医指導医 / 臨床研修指導医
torch clinic医師

ブライダルチェックとは

ブライダルチェックとは、妊娠・出産に影響を与える病気の有無や妊娠に向けた現在の体の状態を調べる検査です。婦人科疾患、性感染症、ホルモンの異常などを調べます。病気や感染症にかかっていることを知らずに放置すると、悪化して重度の不妊症になったり、赤ちゃんの先天性疾患の原因になることがあります。また自分の身体が妊娠しにくいかどうかをチェックすることにもつながるため、自分の身体を理解し今後の人生設計を立てる上でも受けることをおすすめする検査です。

ブライダルチェックと不妊症検査の違い

ブライダルチェックはこれから妊活を行う予定のある方が、妊孕性(妊娠しやすさ)や妊娠・出産に影響を及ぼす病気があるかを調べる検査です。症状がない方を網羅的に検査することを目的としているので、人間ドックや健康診断のような位置づけです。一方で、不妊症検査は、妊活を続けていてもなかなか授からない方がその原因を調べるための検査です。両者は目的が異なるため、医師と相談しながら適切な検査を選択することが重要です。

ブライダルチェックは男性も一緒に

不妊の原因は男女半々であるため、男性も検査を受けることをおすすめします。早めの検査によって妊娠に必要な能力を意識し、将来の選択肢を広げましょう。ブライダルチェックには性感染症の検査も含まれているため、性交渉のあるカップルならお二人がともに検査を受けることで治療がスムーズになり、お互いが感染源になるリスクの予防にもつながります。

ブライダルチェックは結婚前にした方がいい?

ブライダルチェックは、結婚前・結婚後にかかわらず受けられます。妊娠を意識したタイミングでの受診が最適で、項目によっては妊娠を望む全ての方におすすめしたい検査です。不妊症の原因になる疾患や体質、性感染症が明らかになれば、悪化する前に治療を開始できますし、今後の妊活スケジュールが立てやすくなるメリットがあります。また、風疹ウイルスへの抗体がないことが分かれば、胎児感染による先天性疾患を防ぐためにワクチン接種を受ける機会につながります(妊娠中や妊娠直前は接種ができないワクチンです)。

近年では晩婚化に伴い不妊症のカップルが増加傾向にあり、お二人の妊孕性を早めに知ることが人生設計を立てる上でも大切です。

ブライダルチェックの費用

以下は、torch clinicにおけるブライダルチェックの費用と内容のまとめです。

ブライダルチェック基本セット(¥17,000):ご自身の妊孕性を知りたい方におすすめです。

ブライダルチェック安心セット(¥32,300):妊活や不妊治療を始める予定の方向けのプランです。基本セットの検査内容を含みます。

ブライダルチェックフルセット(¥42,400):不妊症関連項目を広く検査したい方におすすめです。基本・安心セットの検査内容を含みます。

オプション検査:さらに詳細な検査を希望する方向けの選択肢もあります。

ブライダルチェックは保険適用外

ブライダルチェックは人間ドックや健康診断のひとつとしての位置づけであり、病気が分かっている方や症状のある方向けの検査ではありません。そのため基本的に健康保険は適用されず自費診療となります。ただし、一部の症状によっては保険適用になる場合もあるため保険証を持参してください。また、結果によっては精密検査を行うこともあります。

地域によっては助成が受けられることもある

都内在住の方は、一定条件を満たすと「東京都不妊検査等助成事業」の対象者となり、保険医療機関にて行った不妊検査および不妊治療に関して、5万円を上限に助成を受けることができます。

ブライダルチェックの検査項目

torch clinicのブライダルチェックでは、以下の検査が行われます。これらの検査は、不妊症の原因や妊孕性を評価するために行われます。

詳しくはこちら

・経腟超音波検査:子宮や卵巣の状態を観察します。

・女性ホルモン検査:卵巣の機能や排卵障害を判断するための血液検査です。また、卵巣予備能(卵巣に残っている卵子の数)も評価します。

・クラミジア検査:不妊症の原因となることがあるクラミジアの抗体を測定し感染を確認します。結果によって追加検査を行うことがあります。

血算:貧血の有無を調べます。

・風疹抗体検査:風疹は妊娠中に母体が感染すると胎児にうつることで先天性疾患の原因になることが分かっています。抗体が不十分な場合は、妊娠前のワクチン接種をおすすめします。

・感染症検査:梅毒や肝炎ウイルス、HIVの感染の有無を調べます。

・甲状腺機能検査:甲状腺ホルモン値の異常を調べ、妊娠や胎児に影響を及ぼす甲状腺疾患の有無を確認します。

・卵管造影検査:卵管の詰まりや異常を調べ、自然妊娠・タイミング法・人工授精といった卵管を利用した妊娠の可能性を確認します。

・ビタミン・ミネラル検査:妊娠に関連するビタミンDや鉄の血中濃度を調べます。不足がしている場合には、サプリメントや薬での補充をおすすめします。

よくある質問

結婚予定がない場合もブライダルチェックはできますか?

結婚の予定がなくても、ブライダルチェックは受けられます。ご自身の妊孕性や生殖器の健康状態を評価することは、将来の選択肢を増やすために役立ちます。専門の医療機関で相談し、必要な検査を受けましょう。

ブライダルチェックは痛みがありますか?

女性のブライダルチェックでは内診と血液検査があります。性交渉の経験がある方では内診の痛みはわずかであることがほとんどです。内診時はゆっくりと呼吸し、リラックスすることで痛みを和らげることができます。性交渉や内診(婦人科診察)の経験がない方は、事前に医療スタッフへお伝えください。

おわりに

トーチクリニックでは、ブライダルチェックを提供しています。恵比寿駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、週6日(平日・土日祝)開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。

医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。

ブライダルチェックにご関心のある方は、お気軽にご相談ください。ブライダルチェックのご予約はウェブからも受け付けております