精子と卵子の寿命は短く、妊娠につなげるには受精のタイミングを知ることが大切です。本記事では精子と卵子の寿命や男性不妊の原因の基礎的な知識、妊娠の仕組み、妊活がうまくいかないときの対処法などを解説します。
射精後の精子や卵子の寿命は1週間ある？受精できるタイミングは？
射精された精子の女性の体内における寿命は、一般的には72時間程度と考えられています1）。中には少し長めの4〜5日程度と報告をしている研究結果もありますが、1週間以上の寿命はないと考えられており、受精するには数日以内に卵子と出会う必要があります。
一方、卵子の寿命は非常に短く、排卵されてから24時間といわれています2）。卵子は排卵されてから10数時間が最も受精確率が高く、その後24時間まで徐々に低下していきます。つまり、精子と卵子がいつ出会うかがとても重要です。
妊活に適した時期は、排卵日の4〜5日前から排卵日までです。これは精子と卵子が受精できる時間を考慮した期間です。特に排卵日の1～2日前は、受精確率が高くなります。排卵してから1日以上経ってしまうと、受精できる可能性は低くなってしまうため、妊娠を望む場合は月経周期の記録をつけたり、排卵検査薬などを利用して排卵日を予測することが推奨されます。
精子がつくられる時間（期間）と加齢との関係性
個人差はありますが、精子がつくられるまでは約74日間かかるといわれています。
精子は精巣（睾丸）という場所でつくられます。精巣でつくられた精子は未熟な状態であり、細い管を通って精巣上体へ移動し成熟して射精のタイミングを待ちます。作られる精子の量は脳の視床下部や下垂体から出るホルモンによって調整されます。
加齢による精子への影響
男性は35歳を超えると精子の機能が低下すると考えられています。
過去の疫学調査でも25歳未満の男性を基準とすると35歳以上では1年以内に妊娠に至る確率は2分の1になると報告しています3）。男性は、女性にみられるような閉経はありませんが、加齢による影響があるといえます。
原因としては、加齢とともに精巣の機能が低下することで精液量、精子正常形態率、精子運動率が減少し、精子DNAの損傷の割合も上昇することが挙げられます。
さらに、年齢を重ねるごとに糖尿病や高血圧症などの基礎疾患の発症リスクが高まり、勃起不全といった性機能障害も起こりやすくなります。
精子の質や量の調べ方｜男性不妊との関係性
精子の質や量は精液検査で調べることができます。
トーチクリニックでは、禁欲2〜3日後にマスターベーションにて採精容器に精液全量を取っていただき、精子の量、精子濃度、運動性、形、生存性などを調べます。精液の状態は日々変わるため、1回目の検査の結果が良くなかった場合には、3か月後の再検査をおすすめしております。
精子の量や質は、一般的な精液検査だけでなく、不妊症の予防や早期発見を目的としたブライダルチェックや不妊の原因を調べる不妊検査でも調べることができます。
男性不妊の原因
不妊症の原因は女性側にあると思われがちですが、実は約半数は男性側にも原因があることが分かっています。その原因は大きく分けて3つあります。
・造精機能障害
男性不妊の原因の中で最も多く、80％以上を占めるのが造精機能障害です。精子がうまく作られないため、精液中の精子数の減少や精子運動率の低下が起こります。発症の原因はさまざまですが、原因不明なことが多いのが現状です。
・性機能障害
性機能障害には、EDといわれる勃起障害があり有効な勃起が起こらない、あるいは、勃起しても射精ができない射精障害があります。性機能障害の多くは心理的なストレスが原因であるといわれています。
・精路通過障害
精路通過障害は、精巣で作られた精子がペニスの先端までにたどり着くまでの道のどこかで詰まっており、精液中に精子が出てこない状態を指します。先天的に通過障害がある場合もあれば、鼠径ヘルニアや精巣上体炎などの病気が原因となることもあります。
男性不妊についてより詳しく確認したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
妊娠の仕組み｜排卵〜着床までの流れ
妊娠は、女性の卵子と男性の精子が出会うことによって成立します。女性の卵巣で作られた卵子と男性の精巣で作られた精子が、性交によって子宮に続く卵管膨大部という場所で出会い、受精卵となります。
受精卵は細胞分裂を繰り返し成長しながら子宮へ移動し、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。着床した受精卵はさらに細胞分裂を重ねて胎児へと成長していきます。
排卵からはじまり、受精、受精胚の発育、着床という妊娠のステップを順に解説していきます。
排卵
女性は、産まれた時点で約200万個もの卵子を持っています。卵子は卵胞という袋に包み込まれた原始卵胞という状態で存在しており、通常1か月に1個の卵子が排卵されますが、その陰で約1000個の卵子が消費されます。男性と違い、女性の場合は産まれた後に新たに卵子が作られることはありません。
排卵は次の生理開始の約14日前（生理周期が順調な方では、生理周期の中頃）に起こります。ホルモンの働きにより卵巣の中にあるたくさんの原始卵胞のうち1つだけが選ばれ、原始卵胞→一次卵胞→二次卵胞→前胞状卵胞→胞状卵胞→成熟卵胞という順番で発育します。この成熟卵胞から卵子が排出されるのが排卵です。放出された卵子は、卵管膨大部の中で精子を待ちます。
受精
受精とは、卵子と精子が出会い、受精卵となることをいいます。
女性の膣内に射精された精子は、子宮頸管から子宮内へ移動しさらに卵管まで泳いで移動します。卵管膨大部までたどり着いたたった1つの精子だけが排卵された卵子と受精することができます。1つの精子が卵子と受精すると、他の精子は卵子に突入することはできなくなります。
ここで大切なのは、排卵された卵子はいつでも受精できるわけではないということです。卵子の受精確率は排卵後10数時間が最も高く、その後24時間までは徐々に低下していきます。排卵から1日以上経ってしまうと、卵子は受精能力がなくなってしまうため、次の排卵まで受精の可能性は低くなります。
一方で、精子の寿命は約72時間といわれているため、排卵してすぐの卵子と出会えるように性交渉をもつことが大切です。特に、排卵日の1～2日前に性交渉をもつと妊娠確率が非常に高くなると考えられています。
受精胚の発育
卵管膨大部で出会った精子と卵子は受精卵という1つの細胞となり、2細胞→4細胞→8細胞と細胞分裂を繰り返しながら成長していきます。その後、受精卵の細胞はどんどん増えていき、増えた細胞は1つのかたまりとなります。この時の様子が桑の実に似ていることから桑実胚とよばれます。
桑実胚の次のステップは胚盤胞です。胚盤胞になるまでも細胞分裂は続きますが、この段階になると内側に細胞のかたまりができ、中央に空洞が生まれます。この細胞のかたまりは将来胎児へと成長していき、空洞部分は羊水で満たされるようになります。
受精卵が胚盤胞まで成長すると着床を開始できます。
着床
受精卵が卵管を通って子宮内膜にくっつき、子宮内膜の内部まで侵入することを着床といいます。
受精卵となってから子宮に到着するまで4〜5日ほどかかり、子宮に到着してからも成長を続け受精後約5〜7日たつと着床を開始します。最終的に着床が完了するのに受精から12日間ほどかかります。なお、受精卵はいつでも着床できるわけではなく、排卵してから5〜10日頃に子宮内膜が受精卵を受け入れる準備ができます。
着床が完了すると妊娠成立となります。妊娠週数でいうと妊娠4週に相当しますが、これは受精の約2週間前にある最終月経の初日から週数を数えるためです。
受精卵から赤ちゃんになるまで（胎児とみなされるまで）
受精卵は着床してから胎芽と胎盤の2つへ分かれ、さらに成長を続けていきます。
受精卵が細胞分裂を繰り返し成長した胚盤胞の壁は1層の細胞からできており、内側にはいくつもの細胞が重なってかたまりとなっている部分が存在します。この細胞のかたまりは胎芽へと成長し、外側の細胞は胎盤へと成長していきます。
胎芽は受精から3週間ほど経つと体の多くの臓器をつくりはじめ、その後から脳や脊髄がつくられます。こうして成長を続けながら受精後8週たつと胎児とみなされます。受精後10週までに脳や脊髄以外のほぼすべての器官が完全につくられます。
1回の性交での妊娠は奇跡？妊娠の成功率は？
1回の性交で妊娠する確率は、20歳前半で30％、30歳で20％、35歳で10％程度といわれています4）。避妊せずに性行為した場合でも、そこまで妊娠率が高くないことがわかります。
1回での妊娠確率は低くても、定期的な性交を続けることで多くの場合は半年〜1年間で妊娠します。
一方、避妊せずに定期的な性交があるにも関わらず、1年以上妊娠しない場合は「不妊」と考えられます。その原因の1つが年齢による妊孕率（にんようりつ：妊娠する力）の低下です。
日本生殖医学会によると、20〜24歳の女性の妊孕率を100％としたとき、女性の妊孕率は20代前半をピークにゆるやかに低下し、35歳を過ぎるとそのスピードが加速し、40歳を過ぎると急速に低下すると報告されています5）。
男性についても、前述のとおり25歳未満の男性を100％とすると35歳以上では1年以内に妊娠に至る確率は半分の50％になると報告されています。
妊娠の可能性を高めるためのポイント
妊娠の可能性を高めるポイントを4つ紹介します。
- 基礎体温を測定する
- 排卵検査薬を活用する
- 日常生活の見直しや健康管理をおこなう
- 夫婦での話し合いをおこなう
それぞれのポイントを詳しく説明していきます。
基礎体温を測定する
基礎体温とは、朝目覚めてすぐ、布団から起き上がる前に測る体温のことで、専用の婦人科体温計で測ります。毎日同じ時間帯に測り続けると、低温期と高温期に分かれていることがわかります。
排卵が起こると体温が0.3～0.5℃程度上がり、高温期に移行します。これは、黄体ホルモンという女性ホルモンの分泌がはじまるためです。妊娠しやすい時期は、この低温期から高温期に変わる前の数日間、つまり排卵前2～3日前から排卵後1日経つまでの期間といわれています。
基礎体温がガクッと下がってから高温期になるまでのどこかで排卵しますが、いつ排卵したかを基礎体温表で特定することはできません。またホルモンバランスが崩れていたり、ストレスや体調によって低温期と高温期の見分けがつかないこともあります。疑問や不安な点がある場合は、医療機関を受診しましょう。
基礎体温の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
排卵検査薬を活用する
排卵日予測検査薬は、尿中の黄体形成ホルモン（LH）の量を測ることで、排卵日を予測するものです。LHは排卵前に急激に増加し、これをLHサージといいます。LHサージを捉えることで、排卵日を予測することができます。
LHサージ開始から約40時間、ピークから約半日以内に排卵が起こる可能性が高いです。
検査薬を使うときは、まず、次の月経開始日の17日前から毎日できるだけ同じ時間帯に検査薬を使います。スティックタイプの検査薬で、尿を直接かける、または紙コップに尿を入れ浸すだけの簡便な方法で確認ができます。陽性になりはじめたら性交渉を取り、排卵当日まで（約2日間）1日おきで良いので性交渉を持つと妊娠しやすいです。
排卵日予測検査薬の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
日常生活の見直しや健康管理をおこなう
妊娠の可能性を高めるには、適正な体重管理やストレス解消、禁煙、下着の選び方といった日常生活や健康管理にも気をつけましょう。
適正な体重管理
日本産婦人科医会によると、BMIが19以下のやせ、35以上の肥満だと妊娠しにくいと報告されています6）。つまり、やせすぎも太りすぎも妊娠に影響があるということです。BMIを指標にバランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。
ストレス解消
ストレスは、女性ホルモンのバランスを乱し、排卵障害や月経不順などを引き起こす可能性があります。男性も、ストレスによって精子の質や量が低下することがあります。リラックスできる時間をつくったり、自分なりのストレス解消法を見つけてみましょう。
禁煙
妊娠を望む夫婦は、ともに禁煙に努めることが大切です。喫煙は、不妊症のリスクを高め、妊娠までの期間を延長させることが知られています。これは、直接喫煙する場合だけでなく、受動喫煙や電子タバコの場合でも同様のため、注意しましょう。
下着の選び方
男性の場合、精巣を温めたり締め付けたりすると、精子をつくる機能が低下する可能性があります。そのため、ブリーフやボクサーパンツよりも、ゆったりとしたトランクスの着用をおすすめします。
夫婦での話し合いをおこなう
妊活を進める上で最も大切なのは、パートナーと将来の家族計画について話し合い、共通の認識を持つことです。お互いの希望や考えていることを打ち明け、2人の将来をイメージしてみましょう。
・何歳で子供を授かりたいのか
・何人子供が欲しいのか
・不妊治療はするのか
・出産してからどんなライフスタイルにしたいのか
特に不妊治療については、「自分たちには関係ない」と思わずに、将来について話し合うことが大切です。現代では、4.4組に1組の割合で不妊治療や検査を受けているというデータがあり7）、晩婚化に伴って不妊に悩むカップルは増加傾向にあります。
また不妊の原因は女性側にあると考えられがちですが、約半数で男性側に原因があるという報告もあります。お互いが自分自身のこととして一度真剣に向き合ってみましょう。家族計画が理想通りにいかないことももちろんありますが、その都度お互いの意見を共有し、2人のライフプランを見直すことがとても大切です。
妊活がうまくいかないときの対処法
妊活がうまくいかない時は医療機関への受診を検討しましょう。ここでは、医療機関で受けられる不妊検査の内容や、不妊治療としてどのような順番で治療をステップアップしていくのかを具体的に説明します。
不妊治療と仕事との両立にも不安を抱えているときに、活用していただきたい制度もあわせてご紹介します。
不妊検査をうける
不妊検査とは、女性と男性それぞれに不妊の原因を探すためのスクリーニング検査のことです。
一般的に、妊活をはじめて1年以上経っても妊娠しない場合を「不妊症」といいます。特に30歳を過ぎると妊娠率が低下しはじめることがわかっており、場合によっては1年を待たずして治療を開始することがすすめられる場合もあります。現在の妊活の進め方に疑問や不安がある場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。
代表的な検査としては、女性の場合だと血液検査をしてホルモンや甲状腺機能の異常、クラミジアなどの感染症の有無、ビタミンDや亜鉛、鉄などのビタミンやミネラルの欠乏がないかを調べます。その他レントゲン室で行う子宮卵管造影検査にて子宮の形や卵管に異常がないかを確認します。
男性の場合は、一般的に精液検査を行って、精巣で精子を造る能力や精巣の炎症の有無を調べます。精子を採取する際に、トーチクリニックでは禁欲期間として2〜3日を推奨しております。
下記の記事で具体的な検査の内容を説明しておりますので、ぜひご覧ください。
参考：不妊検査の流れについて
不妊治療をおこなう
不妊治療を行う場合は、一般的に、タイミング法→人工授精→体外受精／顕微授精とステップアップしていきます。カップルによって最適な治療法は異なるため、不妊の状況に応じた治療法が選択されます。
タイミング法は、排卵日を予測し、排卵の1〜2日前から妊娠に最適なタイミングでの性交を医師が指導する治療法です。不妊治療の中では身体的、金銭的な負担が少ない方法です。
人工授精は、排卵日に合わせて精子を子宮内に直接注入して妊娠を促す治療法です。人工授精と自然妊娠（タイミング法）との違いは、精子が入る方法と場所だけです。着床から妊娠までの流れは変わらないため、自然に近い妊娠方法といえます。
体外受精や顕微授精は「生殖補助医療（ART）」とよばれ、タイミング法や人工授精では妊娠が難しい不妊症に対して行われることが多いです。
体外受精は、卵巣から採取した卵子と精子を体外で受精させ、得られた受精卵を子宮内に移植する治療法です。精子と卵子を同じ培養液に入れて、精子自らの力で受精させます。一方、顕微授精は、体外受精と同様に回収した卵子に、精子を直接卵子に注入して受精を促す方法です。精子の数や運動率が低い場合などに選ばれる方法です。
なお、不妊治療にかかる費用や保険適応の有無については、下記の記事で解説しているので、参考にしてください。
参考：不妊治療の保険適用の条件はどこまで？メリットや注意点も解説
不妊治療と仕事を両立させるコツ
厚生労働省が令和5年度に実施した「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業」によると、不妊治療をしたことがある人のうち、半数以上は仕事と両立しているが、10.9%は退職し、7.4%が雇用形態を変更していると報告されています。この数字からも不妊治療と仕事との両立が簡単ではないことがわかります。
両立のための制度のひとつに「不妊治療休暇制度」があります。法律で定められていない休暇のため、企業によって制度の有無が異なります。制度が設けられている場合には、不妊治療に限定して取得できるものと、不妊治療だけでなく他の理由（育児・介護・病気の治療など）でも取得できるものがあります。一度お勤めの企業等の制度をご確認ください。
おわりに
参考文献
1）令和４年度厚生労働科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業（健やか次世代育成総合研究事業） 標準的な生殖医療の知識啓発と情報提供のためのシステム構築に関する研究. 患者さんのための生殖医療ガイドライン. ”精子の受精能獲得”. 東大病院女性診療科・産科/女性外科 ウェブサイト
https://www.gynecology-htu.jp/reproduction/dl/seishokuiryo_gl_1-3.pdf
2）日本生殖医学会 .“妊娠はどのように成立するのですか？”．日本生殖医学会ウェブサイト
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa01.html
3）日本産婦人科医会 .“妊娠適齢年令”．日本産婦人科医会ウェブサイト
http://www.jaog.or.jp/lecture/1-妊娠適齢年令/
4）日本産科婦人科学会編著 .”HUMAN+ 女と男のディクショナリー”.
https://www.jsog.or.jp/public/human_plus_dictionary/book_vol2.pdf
5）一般社団法人 日本生殖医学会 .“女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか？”．日本生殖医学会ウェブサイト
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa22.html
6）日本産婦人科医会 .“産婦人科ゼミナール タイミング”．日本産婦人科医会ウェブサイト
https://www.jaog.or.jp/lecture/9-タイミング/
7） 国立社会保障・人口問題研究所 .”第16回出生動向基本調査（結婚と出産に関する全国調査）”. 国立社会保障・人口問題研究所ウェブサイト
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/doukou16_gaiyo.asp
