「基礎体温」という言葉をご存知でしょうか。
聞いたことはあるけれど、普通の体温と何が違うのかよくわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では基礎体温と普通の体温との違い、毎日の基礎体温の測り方や測ることで何が分かるのかなどについて解説します。
基礎体温とは?普通の体温との違いは?
基礎体温とは、生命維持に必要な最小限 のエネルギーしか使っていない安静時の体温です。つまり、寝ている間の体温を指しています。起床後、寝たままの状態で、舌の裏側の付け根に婦人体温計を当てて測定します。
正常な基礎体温のパターンは、低温期と高温期の二相に分かれます。
低温期は月経開始から排卵までで、体温は36.3°Cから36.7°C程度です。排卵後、高温期が始まり、体温が0.3°Cから0.5°C上昇し、36.7°Cから37.0°C程度になります。この温度差は、黄体ホルモンというホルモンの影響によるものです。
ただし、基礎体温がきれいな二相にならない場合もあります。ストレス、体調の変化、ホルモンバランスの乱れなどが影響することがあります。こうした場合でも、必ずしも異常ではなく、基礎体温の全体的な傾向を確認することが重要です。疑問や不安がある場合は、専門医に相談することをおすすめします。
基礎体温と普通の体温の違い
基礎体温と普通の体温は、測定条件や用途が異なります。
基礎体温は、朝起きた直後の起き上がる前に測定し、体温の変動を最小限に抑えた状態で記録します。月経周期やホルモンの変化を反映し、低温期と高温期に分かれます。
これに対し、普通の体温は日中の活動や食事、環境により変動し、わきの下などから体温計で測る一般的な体温です。
基礎体温は周期の管理や健康状態の把握に役立ち、普通の体温は体調管理や病気の診断に使用されます。
基礎体温の正しい測定方法・習慣化のコツ
基礎体温は、薬局やドラッグストアなどで販売されている婦人体温計という専用の体温計を用いて測定します。口を開けず、舌の裏側で測ることで、わずかな温度変化も正確に捉えられます。
測定は起床後すぐ、なるべく同じ時間帯、同じ姿勢で行います。
基礎体温を使っての判断は全体の体温変化を見て行いますので、 多少時間が不規則でも、また計り忘れた日があったとしてもとにかく続けましょう。
測定データを日々記録し、少なくとも3か月間続けることで、ホルモンバランスや体の周期を把握できます。体温変化を把握することは、妊娠を希望する場合や健康管理に役立ち、医師に相談する際の貴重な情報源となります。
基礎体温の測定を習慣化するコツ
基礎体温の測定を習慣化するコツは、毎日同じ時間に測定することをルーティン化することです。
目覚まし時計やスマートフォンのアラームを設定し、起床後すぐに測定できる環境を整えましょう。
枕元に婦人体温計を置いておくと、すぐに手に取りやすく、測り忘れを防げます。
また、測定結果を記録するアプリを活用すると、データの管理が簡単になり、グラフ化された変化を視覚的に確認できるためモチベーションが上がります。
測定が面倒に感じたときは、完璧を求めすぎず、できる限り続けることを心がけることも大切です。毎日測定することが難しい場合でも、数値の傾向を把握するだけで役立つので、無理なく続ける意識を持ちましょう。
基礎体温の測定によりわかるコト
生理(月経)の周期を予測できる
基礎体温を測定することで、生理(月経)の周期を予測できる理由は、体温の変化がホルモンの影響を反映しているからです。
排卵前は低温期で、排卵後は黄体ホルモンの影響により体温が上昇し、高温期に入ります。
高温期の日数は「14日間前後でほぼ一定」という特徴から、排卵後は次の生理が始まる時期を予測することも可能です。
生理は高温期の終わりに来ますので、たとえば今日が高温期に入って4日目なら、あと10日ほどで生理になることが予測されます。
また基礎体温の記録を続けることで、個々の月経周期のパターンが明確になり、予測の精度が向上します。
排卵の有無や妊娠しやすい時期を予測できる
基礎体温を測ることで排卵の有無や妊娠しやすい時期を予測できる理由は、体温の変化が排卵に伴うホルモンの変動を反映するためです。
排卵前はエストロゲンの影響で低温期が続き、排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で体温が上昇し、高温期に移行します。
この体温上昇が確認できれば排卵が起こったと考えられます。。低温期から高温期への移行が起こる前の数日間、つまり排卵の3〜4日前から排卵後の1〜2日の間は、妊娠しやすい時期といわれています。この排卵前後のタイミングで性交を行うことで妊娠の可能性が高まります。
妊娠しているかどうかの予測ができる
妊娠した場合は、高温期が14日間を超えても持続するため、基礎体温を測ることで妊娠しているかどうかを予測することができます。
通常、排卵後は基礎体温が上昇し高温期に入りますが、妊娠していない場合は約2週間で体温が低下し次の生理が始まります。
しかし、妊娠が成立すると黄体ホルモンの分泌が続き、高温期が持続します。この長期間の高温期は妊娠の可能性を示すサインです。
基礎体温の測定と記録を続けることで、通常の周期との違いを早期に察知でき、妊娠の予測に役立ちます。
不妊の原因の早期発見につながる
基礎体温を測ることで不妊の原因の早期発見につながる理由は、体温パターンから排卵の有無やホルモンバランスの乱れを把握できるためです。
正常な基礎体温は低温期と高温期が明確に分かれていますが、排卵が起きていない場合や黄体機能不全がある場合、温度変化が不規則だったり高温期が短かったりします。
こうした異常なパターンを早期に察知することで、排卵障害やホルモン異常など不妊の原因を疑い、早めに医療機関を受診するきっかけになります。
基礎体温の測定とともにおこないたい妊活習慣
バランスのとれた食事
妊活においてバランスのとれた食事と適切な体重管理が重要な理由は、健康な妊娠と出産のための体づくりに直結するからです。
栄養バランスの良い食事は、ホルモンバランスを整え、排卵機能や子宮環境の改善に役立ちます。
特に葉酸、鉄分、ビタミンD、亜鉛などの栄養素は妊娠前から積極的に摂取することが推奨されています。
また、過度な肥満や低体重はホルモンの乱れを引き起こし、不妊の原因となることがあります。肥満は排卵障害のリスクを高め、低体重は栄養不足による妊娠継続の難しさを招くこともあります。
適正体重を維持することで、妊娠の成功率が高まり、母体と胎児の健康リスクを減少させることができます。これらの理由から、妊活中は栄養バランスと体重管理を意識した生活が大切です。
葉酸の接種
葉酸は妊活において重要な役割を果たす栄養素です。
葉酸はビタミンB群の一つで、細胞分裂やDNA合成に欠かせないため、妊娠前から十分な摂取が推奨されています。
妊娠初期に葉酸を摂取することで、胎児の神経管が正常に発達し、神経管閉鎖障害(例えば脊髄披裂や無脳症)のリスクを大幅に減少させることができます。
これらの障害は妊娠初期の神経管形成が不十分な場合に発生するため、妊娠を計画している段階から葉酸を摂取することが非常に重要です。目安としては妊活を始める2ヶ月ほど前から葉酸摂取を心がけることがおすすめです。
また、葉酸は母体の血液を健康に保つ役割も果たし、葉酸不足は貧血や疲労感を引き起こす可能性があります。葉酸はほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、枝豆、納豆、いちごなどに多く含まれています。サプリメントやこれらの食材を用いて食事から意識的に摂取することが望ましいです。
定期的な運動
妊活において定期的な運動が大切な理由は、健康な体づくりとホルモンバランスの維持に寄与するからです。
適度な運動は、血行を促進し、ホルモンの分泌を正常化させることで、排卵機能をサポートします。
また、体重管理にも役立ち、過度な肥満や低体重による不妊リスクを軽減します。
さらに、ストレスを軽減し、心身の健康を保つことで、妊娠の可能性が高まります。規則的な運動は、健康な妊娠準備の一環として非常に重要です。
ストレスの発散
妊活においてストレスの発散が大切な理由は、ストレスがホルモンバランスに影響を与えるからです。
女性ホルモンは脳の視床下部というところから分泌指令が出ています。視床下部はストレスに弱く、過度のストレスを受けるとホルモンバランスが崩れることがあります。このことによって排卵が遅れたり、月経周期が不規則になったりすることがあります。
リラックスやストレス発散を意識することで、心身の健康が改善され、ホルモンバランスが整うため、妊娠の可能性が高まります。
ストレス管理は、妊活における重要な要素となります。
おわりに
トーチクリニックでは、将来妊娠を考えている方向けのブライダルチェックなども提供しています。ブライダルチェックは、将来の妊娠に備えることを目的に、結婚や妊娠を控えたカップルを対象にした健康状態の確認のための検査です。
トーチクリニックは恵比寿駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、週7日(平日・土日祝)開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。
医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。
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また、ブライダルチェックについての解説記事もご参考ください。