自分が妊娠できるのか検査を受けたい場合、ブライダルチェックが選択肢のひとつとなります。この記事では、妊娠できるかの検査の費用、検査内容、どこで受けられるかなどを解説します。
妊娠できるかの検査はブライダルチェックが選択肢
「自分が妊娠できるかどうか」の検査は、ブライダルチェックが選択肢のひとつです。
ブライダルチェックとは、自分自身の健康状態や将来の妊娠に影響のある病気はないかを確認することを目的とした検査です。細かい内容は各医療機関によって異なりますが、一般的にはホルモン等の血液検査、超音波検査、性感染症の検査などが該当します。
最近では、「プレコンセプションケア」という言葉も浸透してきています。プレコンセプションケアは、妊娠前の女性やカップルが将来の妊娠に備えて自分自身の体や健康に向き合い、病気や生活習慣を見直すことです。
ブライダルチェックは、プレコンセプションケアの一環として位置付けられることもあります。
妊孕性(にんようせい)とは?
「妊孕性」とは、妊娠する力のことを指します。女性の場合、妊孕性は年齢とともに低下していきます。具体的には、35歳以上になるとその傾向が顕著になり、40歳以上になると急激に減少することが知られています1)。
妊孕性そのものを直接調べる検査はありませんが、ブライダルチェックなどで総合的な検査を受け、自身の健康状態を把握しておくことは、将来の妊娠を考える上で有用とされています。
妊娠ができるか検査を受ける人の不安とは
キャリア形成や趣味など、仕事やプライベートが充実している人にとって、「自分が妊娠できるのか」という漠然とした不安は、将来の悩みのひとつとなるかもしれません。
日本産科婦人科学会では、妊娠を望む健康な男女が、避妊をしないで性交していたにもかかわらず、1年間妊娠しない場合を、「不妊症」と定義しています2)。
近年の不妊で悩むカップルは39.2%(約2.6組に1組)、実際に不妊症の検査や治療をしたカップルは22.7%(約4.4組に1組)とされており3)、決して珍しいものではありません。
WHO(世界保健機関)の調査では、不妊の原因の男女別の割合は、男性側のみに原因があるのが24%、男女両方に原因があるのが24%とされており、約半数は男性側にも原因があることが知られています。
将来の妊娠に備えてブライダルチェックを受けることはこのような不安をやわらげたり、問題の早期解決につながる可能性があり、男女ともに受けることが重要といえます。

妊娠できるかの検査はどこで受けられる?
ブライダルチェックなどの妊娠に関連する検査は、主に以下のような医療機関で受けられます。
- 一般婦人科医院
- 不妊専門のクリニック
- 不妊外来のある総合病院・大学病院
- 泌尿器科のクリニック など
ただし、上記に該当する医療機関でも必ず検査を実施しているわけでないため、事前にWebサイトなどで確認の上、受診するようにしましょう。
ブライダルチェックの男女別の費用と検査内容
ブライダルチェックの費用と検査内容は、医療機関によって異なります。医療機関によっては男女ペアで受けられるところもあれば、女性のみ、男性のみと限られている場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
ここでは、トーチクリニックの女性向けおよび男性向けブライダルチェックの検査内容と費用についてご紹介します。
トーチクリニックの女性向けブライダルチェック
女性のブライダルチェックでは、妊娠に関連のある子宮や卵巣の状態、ホルモンバランスや、母体や胎児に影響を及ぼす感染症の有無などを調べます。
女性ブライダルチェックの詳細は以下のページをご覧ください。
関連ページ:女性ブライダルチェック
トーチクリニックの男性向けブライダルチェック
男性のブライダルチェックは、精子の数や運動率、形態などを調べられる精液検査を行います。そのほかには、「男性ホルモンの検査」「クラミジア抗体検査」「風疹抗体検査 」「感染症検査」などのメニューがあります。
※DFI:DNAに損傷がある割合
TAC:酸化ストレスに対する抵抗力
男性ブライダルチェックの詳細は以下のページをご覧ください。
関連ページ:男性ブライダルチェック
妊娠できるかの検査を夫婦や男女ペアで受けるメリット
妊娠できるかを調べたいときの検査は、以下のような理由で夫婦や男女ペアで受けることが推奨されます。
妊娠はカップル2人の問題であり、不妊の原因は女性、男性ともにあると言われています。一緒に妊娠できるかどうかの検査を受けて、お互いの健康状態を知ることで同じ認識を持てるといったメリットも考えられます。
ブライダルチェックを男女ペアで受けるメリットについては、以下の記事で詳しくまとめているのであわせてご覧ください。
関連記事:ブライダルチェックは男女ペアが良い?カップルで受けるメリットや検査内容について解説
妊娠できるかの検査を受けるタイミングは?
ブライダルチェックに関しては医療機関によって詳細な方針が異なる場合がありますが、どのタイミングでも検査を受けられるのが一般的です。
- 結婚や妊娠を控えている
- 将来的に妊娠を考えている
- まだ妊娠の予定はないものの、自分の体の状態を知っておきたい
上記のように妊娠のことを考えている場合は、検査を受けるタイミングのひとつです。
注意点として、女性ホルモン検査などを含む場合、月経周期に合わせた受診が適しているケースがあります。事前に受診を考えている医療機関のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
妊娠できるかの検査の保険適用と助成金について
ブライダルチェックは、一般的には病気の治療を目的としたものではないため、健康保険の適用はされず、全額を自費で受けることになります。ただし、検査項目に保険適用に該当する症状があった場合は、部分的に保険適用される可能性もあるため、念のため保険証を持参するようにしましょう。
助成金については、各自治体によって助成の内容や条件などが異なっています。
例として東京都では不妊検査等助成事業があり、対象となる検査であれば上限5万円の金額が助成される可能性があります4)。
注意点として、ブライダルチェックの中でも将来の妊娠に向けてヘルスチェックを行いたい、といった検診目的で受けたものは対象になりません。
対象となるのは医師が不妊を疑って行う検査であり、助成金の申請に使用する証明書(不妊検査等助成事業受診等証明書)を医療機関から発行してもらう必要があります。
ブライダルチェックの検査内容などは医療機関によっても異なるため、助成の対象になり申請に必要な証明書を発行してもらえるかといった点は、あらかじめ確認しておくのがよいでしょう。
ブライダルチェックと助成金については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
関連記事:ブライダルチェックで使える助成金とは?東京・神奈川・埼玉・千葉の制度や保険適用について解説
おわりに
参考文献
1)日本生殖医学会.一般のみなさまへ. 日本生殖医学会ウェブサイト
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa22.html
2)日本産科婦人科学会. 不妊症. 日本産科婦人科学会ウェブサイト
https://www.jsog.or.jp/citizen/5718/
3)国立社会保障・人口問題研究所. 第16回出生動向基本調査報告書(2021年調査). 国立社会保障・人口問題研究所ウェブサイト
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_ReportALL.pdf
4)東京都福祉局. 不妊検査等助成事業の概要. 東京都福祉局ウェブサイト
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/funinkensa/gaiyou