排卵日がいつなのか、簡易的な計算法や予測する方法はいくつかあります。また、妊活中の場合やこれから妊娠を希望する場合は、妊娠しやすいタイミングなども把握しておくことが重要です。この記事では、排卵日の計算方法や予測する方法、妊娠しやすいタイミングなどについて解説します。妊娠を希望する場合は参考にしてください。
排卵日とは?排卵と妊娠の仕組みを理解しよう
排卵日とは卵巣から卵子が排出される日のことです。
排卵は月に1回、女性ホルモンの働きによって起こり、排卵された卵子と精子が出会うことで妊娠が成立します。卵子の生存期間は短いため、排卵日の1~2日前が最も妊娠しやすいタイミングとされています。
ここでは、排卵のメカニズムと排卵と妊娠の関係性について詳しく解説します。
排卵のメカニズム
排卵とは、卵巣から成熟した卵子が放出される現象のことです。
女性の体は生理周期に合わせて女性ホルモンが分泌され、卵子が育ちます。ある程度の大きさになった卵子は、卵巣の表面を破って腹腔内に飛び出し、「卵管采」という卵子をキャッチするひだ状の組織に取り込まれて卵管へと運ばれます。
排卵された卵子の寿命は24時間です。そのため、妊娠するためには排卵のタイミングを把握することが大切です。
排卵日前後で妊娠しやすいのはいつ?
排卵日前後で妊娠しやすい期間は、排卵日の1~2日前です。
前述のとおり、排卵された卵子の寿命は24時間と短いです。一方、精子は女性の体内で3~5日程度生存できます。そのため、排卵日の1~2日前に性交渉をもつことで、精子は卵子が排出されるのを待っている状態となり、妊娠の可能性を高めることができるのです。
このように妊娠を希望される方にとって、最も妊娠しやすいタイミングを把握することは非常に重要です。以下の章で排卵日を知るための方法についてご紹介します。
また、排卵日の妊娠確率について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
参考記事:排卵日は妊娠確率が高い?妊娠しやすいタイミングと妊活について
排卵日がいつかを知る方法は?計算方法などを紹介
排卵日がいつかを知る方法はいくつか種類があります。
簡易的に計算する方法としては、次の生理開始予定日から14日を引いた日が排卵日の目安となります。この計算の仕組みは、黄体の寿命の日数に基づきます。排卵後の卵胞は黄体化し、個人差があるものの、この黄体の寿命はおよそ14日とされています。黄体の寿命が尽きると生理が始まるため、生理開始の約14日前が排卵日の目安となります。
ただし、上記はあくまで排卵日の目安を計算する方法であり、他の方法も組み合わせて推定するのが良いでしょう。以下で他の方法も解説します。
基礎体温を測定する
基礎体温とは、安静にしている時の体温のことで、女性ホルモンの影響で変動します。毎日継続して測定することで、排卵の有無や生理周期のリズムを把握できます。
基礎体温の正しい測り方
基礎体温は、婦人体温計を使って毎朝同じ時間に、目が覚めたらすぐに、横になったままの状態で測ります。測る際は体温計の先端を舌の裏の奥側に入れるようにし、中央にある筋に当てながらキープします。
体を動かしたり、起き上がったりすると体温が上がってしまうため、寝起きそのままの状態で測定することが重要です。
基礎体温から排卵日を予測する

基礎体温のグラフが低温期から高温期に移行する直前が排卵日だと考えられています。
通常、排卵が起こると体温がガクッと下がり、その後0.3~0.5度上昇して高温期に入ります。この体温の変化をグラフで確認することで、排卵のタイミングを予測できます。排卵日を境にグラフが二相性になるのが特徴です。
基礎体温と排卵日の関係性について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
参考記事:基礎体温で排卵日はわからない?排卵のタイミングとグラフの見方について
基礎体温がガタガタの場合は?
基礎体温が安定せずガタガタの場合は、ホルモンバランスの乱れや無排卵月経の可能性も考えられます。ストレスや不規則な生活習慣などが原因となることもありますが、もし数か月間安定しないようであれば、一度受診に医師に相談すると良いでしょう。
基礎体温を毎日測るために
基礎体温を毎日測定することで、月経や排卵、心のコンディションを把握できますが、習慣になるまでには時間がかかるかもしれません。毎日の測定を忘れないために、以下のような方法を試すと良いでしょう。
- 婦人体温計を枕元などの手の届く場所に置いておく
- 毎朝同じ時間にアラームを設定する
- スマートフォンのアプリを活用する
無理なく続けられる方法を見つけましょう。
排卵日予測検査薬を使用する

排卵日予測検査薬は、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の濃度を測定し、排卵のタイミングを予測するものです。
排卵の際「LHサージ」という黄体形成ホルモンの分泌が急増する現象が起きます。その後、40時間以内に排卵が起こるとされており、排卵日予測検査薬でLHサージを検出することで、排卵日を高い精度で予測できるのです。
市販されており、自宅で手軽に検査できるのが特徴です。個人でできる方法の中では精度が高いものであるため、より正確に排卵日を把握したい場合はおすすめの方法といえます。
排卵日予測検査薬について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
参考記事:排卵日予測検査薬の基礎知識:正しい使い方とタイミングを知って妊活に活かそう
おりものの性状から予測する

おりものの性状も、排卵日を予測する手がかりになります。排卵が近づくと、おりものの量が増え、透明でスライムのように伸びるおりものに変化します。これは、精子が子宮に入りやすくするためです。
その後排卵が終わるとおりものの量は減り、ベタベタしたおりものに変化することから、毎日おりものの状態を観察することで排卵のタイミングを予測できます
おりものと排卵の関係性について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
参考記事:排卵日におりものは増える?のびるおりものの状態から排卵日や妊娠しやすいタイミングを予測する
クリニックでエコー検査をする
排卵日をより正確に把握するには、クリニックでエコー検査(超音波検査)をする方法があります。
エコー検査では、超音波を使って卵巣内の卵胞(卵子が成熟する場所)の成長を観察します。卵胞の大きさを確認することで、排卵が近いかどうかを検査します。卵胞の大きさが16〜20mm程度に達した時が排卵のタイミングであるとされています。エコー検査は生理周期の12日目頃から開始して、数日おきに複数回の検査をします。ただし、生理周期によって日にちは異なりますので、医師の指示に従ってください。
生理が不規則で排卵日の予測が難しい方や、妊活に本格的に取り組む方には、クリニックの検査で、排卵の状況を把握するのをおすすめします。基本的には保険診療で実施することが可能です。
排卵日前後の体の特徴
排卵日前後には、いくつかの体の変化が現れます。例えば、少量の出血が見られる排卵出血や下腹部にチクチクした痛みや張り感が出る排卵痛を感じる方もいるでしょう。その他にも、頭痛や倦怠感、普段よりもイライラしやすくなるといった精神的な変化を感じる方もいます。
これらの体の変化は個人差が大きく、全ての人に同じように現れるわけではありません。しかし、自分の体の変化に意識を向けることで、排卵の時期をより正確に把握できるようになるでしょう。
妊娠初期症状との違い
排卵日前後の体の変化と妊娠初期症状は、似ている部分と違いのある部分があります。
排卵痛や排卵出血は、排卵後数日で治まる一時的なものです。一方、妊娠初期症状は、受精卵が着床することで起こるホルモンバランスの変化によるもので、生理予定日を過ぎても続くことが多いです。
具体的に以下のような症状が現れます。
- つわり
- 倦怠感
- お腹が張る など
自分の体の変化を注意深く観察し、いつもと体調が違う場合は妊娠検査薬を使用したり、医師に相談したりすることをおすすめします。
排卵日に関連してよくある質問
ここでは、排卵日に関するよくある質問にお答えします。
Q:排卵日が遅れることはありますか?
排卵日は、ストレスや急激な体重の増減など、さまざまな要因で遅れることがあります。このような出来事が起こるとホルモンバランスに影響が出て、排卵のタイミングがずれてしまう可能性があるのです。
排卵日が遅れているのか確認するためには基礎体温の測定が有効です。一時的な遅れであれば心配ありませんが、基礎体温がガタガタしていて安定しない、生理が来ないといった体調の変化があれば、一度受診し、原因を調べてもらうと良いでしょう。
Q:生理が終わった後の排卵日はいつですか?
一般的に、排卵日は次の生理予定日の約14日前とされています。生理周期が28日の場合、生理が始まってから14日目が排卵日となります。そのため、生理期間が5日であれば生理が終わってから約9日後、生理期間が7日であれば生理が終わってから約7日後が排卵日の目安です。
ただし、生理周期には個人差があるため、基礎体温や排卵日予測検査薬などと併用して確認することが大切です。
Q:生理周期がバラバラでも排卵日はわかりますか?
生理周期がバラバラの場合、排卵が正常に行われていない「無排卵月経」であったり、排卵まで日数が周期によって異なる場合があります。この場合、排卵日を特定するのが難しく、妊娠しにくい状況であると考えられます。
まずは受診して生理不順の原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
Q:排卵日当日が一番妊娠しやすいですか?
最も妊娠しやすいのは、排卵日の1〜2日前です。
精子の寿命が約3~5日、卵子の寿命が24時間であることを考えると、排卵日の1~2日前に性交渉をして、排卵された卵子を精子が待っている状態であれば、最も妊娠の確率が高まるでしょう。
Q:予測方法を試しても排卵日がわかりません。どうしたらいいですか?
基礎体温の測定や排卵日予測検査薬を使用しても排卵日がわからない場合は、一度受診しましょう。自己判断で排卵日を特定するのが難しい場合や、長期間妊活をしているのに妊娠しない場合は、不妊の原因がある可能性も考えられます。
病院では、超音波検査で卵胞の成長を確認したり、ホルモン検査を行ったりして、より正確な排卵日を特定できます。専門家のサポートを受けることで、安心して妊活に臨むことができるでしょう。