精液検査や不妊治療での精子精液の持ち込み方法について

市山 卓彦
市山 卓彦 医師
上野院 院長 婦人科 生殖医療科 医師
お二人の道のりが明るく照らされるよう「理解」と「納得」の上で選択いただく過程を大切にしています。エビデンスに基づいた高水準の医療提供により「幸せな家族計画の実現」をお手伝いさせていただきます。
医学博士、日本生殖医学会生殖医療専門医 / 日本産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科学会専門医指導医 / 臨床研修指導医
torch clinic医師

採精(精子の採取)が必要になる治療・検査について

採精は、ブライダルチェックや不妊検査における精液検査、不妊治療などで必要になります。精液検査は、不妊治療の検査を受ける男性のほぼ全ての方に受けていただく検査です。精液検査では、精液量、精子の量と質、感染の有無などを確認します。具体的な基準値は以下の通りです。

検査項目 下限基準値
精液量 1.4mL以上
総精子数 3,900万/射精以上
精子濃度 1,600万/mL
前進運動率 30%以上
総運動率 42%以上
正常精子形態率 4%以上
白血球数 100万/mL未満

出典:WHOラボマニュアル 2021 ヒト精液検査と手技-6版

なお、精液の状態は日によって変動するため、1回の精液検査で結果をすべて判断することは出来ません。当院では結果が不良であった場合、3ヶ月後の再検査を推奨しています。

採精方法について

精液は、2〜3日の禁欲期間(射精しない期間)の後に、用手法(マスターベーション)で全量を採取します。ご自宅で採精していただき、採取した精液を持ってきていただきます。

精液を持ち込むときに気をつけるポイント

ご自宅で採精してから精液を持参する場合には、温度管理に注意が必要です。精子は寒すぎても暑すぎても運動率が低下してしまうため、採精カップをタオルなどで巻いた後、紙袋に入れ人肌程度に温めてご持参ください。

よくあるご質問・Q&A

精液はどうやって持っていくの?

自宅から精液を持参する場合、採精カップに精液を入れて持参する方法が一般的です。ただし、季節によっては保温容器などを用いて温度管理をしながら、採精後できるだけ早く医療機関に持ち込む必要があります。また、持ち運ぶ際に精液が容器からこぼれないよう、容器の向きや蓋に注意をしながら持参してください。

精液の持ち込み方法は人肌ですか?

先述の通り、精子は温度変化に敏感であるため、寒すぎても暑すぎても状態が悪くなってしまいます。採精カップをタオルなどで巻いた後、紙袋に入れ人肌程度に温めてご持参ください。

精液は冬でも持ち込めますか?

しっかり保温ができていれば、冬場でも持ち込みが可能です。

精液の持ち込みは何時間以内がいいですか?

採精後2時間以内を目安に持参してください。

おわりに

トーチクリニックには生殖医療専門医が在籍し、一般不妊治療や高度生殖医療を提供しています。精液検査も実施しており、検査結果についても専門的な立場から適切な情報提供をしてサポートします。

恵比寿駅・上野駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、土日も開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。

精液検査などの検査や不妊治療にご関心のある方は、お気軽にご相談ください。

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また、精液検査についての解説記事もご参考にしてください。

精液検査
不妊症の原因は女性と男性で割合が半々といわれています。そのため不妊症の原因検索として、精液の状態を知ることは基本的かつ大変重要な検査です。当院では、禁欲2~3日後にマスターベーションにて採精容器に精液全量を採取いただき、「精液量」を測定、顕微鏡下で「精子濃度」「運動率」「総精子数」「前進運動精子数」を算出しています。