卵胞とは?卵子との違いは?
卵胞とは、卵子が入っている袋のことです。上皮細胞という種類の細胞が、袋状に卵子を取り囲む形で構成されています。
卵胞の数について
女性は産まれた時点で、卵子のもととなる原始卵胞を約200万個もっています。卵胞の数は排卵の度に約1000個ずつ減っていきます。その結果として20代では10万個、30代では2-3万個程度となります。
卵胞の発育について
原子卵胞は一次卵胞、二次卵胞、胞状卵胞の順に数ヶ月かけて発育していきます。これら胞状卵胞の中で1つだけが、月経によるホルモン分泌を受けて2週間程度急速に成熟し、成熟卵胞となって排卵されます。
卵胞の発育状態を調べる検査
卵巣における成熟卵胞や胞状卵胞の個数や状態は、膣内に超音波を発するプローブを入れることで検査します。超音波検査では、卵胞は黒い影として視認することができます。
排卵とは?
卵胞は卵巣内に複数ありますが、ホルモンの刺激を受けて完全に成熟するのは1つの卵胞のみです。成熟した卵胞から卵子が排出される現象を排卵とよびます。
排卵の時期
月経周期が28日の方の場合、排卵は月経開始日から数えて約14日目に起こります。排卵された卵子の寿命は約1日、女性体内における精子の寿命は約3日です。そのため、排卵日から3日前までのあいだに性交渉をもつことで妊娠確率を高めることができます。
排卵の仕組み
排卵には、脳や卵巣から分泌される様々なホルモンが関係します。まず脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)を受けて、胞状卵胞が成熟をはじめます。成熟過程の卵胞からはエストロゲンが分泌され、これを受けて脳下垂体から、排卵を促す黄体化ホルモン(LH)が大量に分泌されます(LHサージ)。そしてLHサージの24-36時間後、成熟卵胞から卵子が放出されます。
排卵の有無を調べる検査
排卵の有無は、基礎体温を測定することで判断できます。排卵が正常に起きると基礎体温は、排卵前の「低温期」と、排卵後の「高温期」(0.3℃以上の差)という2相性を示します。排卵後に高体温となるのは、排卵後の卵胞(黄体)から分泌されるプロゲステロンのためです。詳しくはこちら
また、基礎体温の他に、超音波検査や血液検査でも調べることができます。
ピックアップとは?
排卵では、成熟した卵子が卵巣から放出され、卵管に取り込まれます。卵巣に接触する卵管部分は先が広がった形になっており、卵管采とよばれます。卵管采が卵巣に接触し、卵子が卵管へと移動する現象をピックアップとよびます。
卵管采が正常に機能しているかを調べる検査
卵管采の状態は、子宮卵管造影検査および卵管通水検査によってある程度調べることができます。これらの検査によって卵管采が癒着しているかを調べることができますが、卵管采の機能性を正確に調べられる検査は今のところありません。
よくある質問
卵胞が多いとどうなりますか?
ホルモン分泌の異常によって卵胞の発育が滞ると、卵巣内に未熟な卵胞が過剰(片方の卵巣に10個以上)となります。このような状態を多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とよび、排卵障害が起きているため不妊の原因になることがあります。詳しくはこちらもご参照ください。
排卵が起こらない場合、卵胞はどうなりますか?
排卵が起こらない場合、胞状卵胞の成熟も起こりません。この状態で子宮内膜が剥がれ落ちた場合は無排卵月経が起こり、子宮内膜も剥がれない場合は出血が起こらない無月経となります。
卵胞が育たない原因はなんですか?
卵胞が育たない原因としては、先述した多嚢胞性卵巣症候群のほかにも、女性ホルモンバランスの乱れによる中枢性排卵障害が挙げられます。また、本来授乳期に分泌されるプロラクチンが過剰に分泌される高プロラクチン血症では、排卵に必要なホルモンの分泌が阻害されてしまいます。
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おわりに
トーチクリニックでは、医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。
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