卵管造影検査の費用はいくら?保険適用と自費での金額、助成金についても解説
卵管造影検査は、卵管が詰まっていたり狭まっていたりしていないかなどをみる検査で、不妊の原因を調べる目的で実施されます。不妊治療の一環で実施される場合は保険適用となりますが、健診目的で実施する場合は自費となるケースもあります。今回の記事では、卵管造影検査が保険適用と自費になる場合の費用の目安や不妊治療の助成金について解説します。
卵管造影検査の費用
不妊症の検査や不妊治療の一環として卵管造影検査を実施する場合は、一般的に保険適用となります。一方でブライダルチェックのオプションや一般健診の場合は保険適用外であり、自費診療です。
トーチクリニックでは保険適用と自費の場合で以下のような費用となります。
※1 上記はバルーンカテーテル使用料 4,000円(税込)が含まれた金額です。
※2 初・再診療、画像診断料、他の検査の費用などは含まれておりません。
保険適用と自費の場合に関して、それぞれ詳しく解説します。
保険適用の場合
前述のとおり、不妊症の検査や不妊治療の一環として実施される場合、卵管造影検査は保険適用となります。
卵管造影検査は保険診療において、主に以下のような点数を元に計算され、一般的には3割負担となります1)。
これらは国内における共通の点数となるため、保険適用の場合は検査内容が同じであれば、どの医療機関でも同程度の費用となります。
自費診療の場合
ブライダルチェックのオプションとして卵管造影検査を実施する場合や、一般健診として卵管造影検査を実施する場合は、原則は自費診療となります。また、一般的な卵管造影検査はX線での撮影となりますが、超音波による子宮卵管撮影(超音波子宮用注入器:フェムビューを用いている場合)の場合は自費診療となります。
自費診療の場合は医療機関によって費用が設定されるため、クリニックや病院ごとに大きく金額が変わりますが、25,000〜35,000円程度かかるケースが多いです。
当院ではバルーンカテーテル使用料(4,000円)を含め30,000円(税込)となります。
自治体による助成制度もある
不妊治療の費用負担を軽減するため、自治体によっては助成制度を設けています。例えば、東京都では「不妊検査等助成事業」があり、卵管造影検査などの「卵管疎通性検査」も対象となるケースがあります。
この制度は、保険医療機関で行った不妊検査や一般不妊治療にかかった費用を対象に、上限50,000円まで助成されます(保険薬局での調剤費用を含む)。助成は夫婦1組につき1回限りで、原則は検査開始日から1年間が対象期間です。
申請には、検査開始日から申請日までに法律婚または事実婚の関係にあることなど、他にもいくつかの要件があります。詳細は各自治体のホームページでご確認ください。
参考ページ:東京都福祉局 不妊検査等助成事業の概要
なお、助成金の申請には医療機関側の証明書(不妊検査等助成事業受診等証明書)が必要となります。
トーチクリニックでは、検査後に助成金申請に必要な証明書を発行します(助成金証明書作成費用が3,500円です)。
トーチクリニックは恵比寿駅・上野駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、土曜日も開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。
卵管造影検査にご関心のある方は、お気軽にご相談ください。
卵管造影検査とは?
卵管造影検査は、不妊の原因を調べる検査のひとつです。卵管が詰まっていたり狭まっていたりしないか、子宮の中にくっついている箇所がないか、子宮の形に異常がないかなどを調べます。
子宮の入口から造影剤を注入し、レントゲンで造影剤の流れを撮影することで、卵管が閉塞していないのか、子宮の形に異常がないかを確認します。
また、卵管造影検査の実施後は妊娠率が上昇することも知られており2)、不妊治療としてのメリットがある場合もあります。ただし、妊娠率の上昇は個人差などもあり、検査による痛みや感染症のリスクなども全くないわけでないため、検査の実施はあくまで医師の判断で行われます。
当院の卵管造影検査の予約・当日の流れと注意点
卵管造影検査の当日は朝食後から抗生剤を内服、検査30分前に鎮痛剤の内服をします。その後、事前に行った血液検査の結果をお伝えし、超音波検査で子宮の状態を確認した後に検査を開始します。
主な注意点として以下のようなものがあります。
- 卵管造影前に必要な検査がある(甲状腺機能、造影剤アレルギー、妊娠の有無、クラミジア検査)
- 卵管造影検査を実施する時期が決まっている(一般的に月経開始後10日目まで)
- 月経開始から卵管造影検査日まで性交渉は行わない
卵管造影検査の詳しい予約方法や当日の流れについては、こちらのページをご覧ください。
関連ページ:子宮卵管造影検査
卵管造影検査に関するよくある質問
卵管造影検査に関連する質問について解説しました。こちらも参考にしてください。
Q:卵管造影検査が保険適用外になることがあるのはなぜですか?
健康保険は一般的な病気やケガなどの診察・検査では適用となります。一方で健康診断・人間ドックなどは健康保険の適用外です2)。
卵管造影検査においても不妊検査や不妊治療としてでなく、健診目的やブライダルチェックの一環でやるようなケースでは、健康保険の適用外となります。
Q:卵管造影検査は痛みはありますか?
主に造影剤を入れるとき、特に卵管が閉塞しているときは痛みを感じることがあります。
トーチクリニックでは、痛み止めの併用や造影剤を時間をかけて優しく注入することで、痛みを軽減できるよう工夫しています。
また、検査後は速やかに痛みが和らぐことが多いですが、痛みが強い場合は院内で経過を見ることがあります。
Q:卵管造影検査前に避妊する必要があるのはなぜですか?性行為はいつ再開して良いですか?
避妊が必要な理由は、卵管造影検査はX線を使用するため、妊娠している場合は受精卵が影響を受ける可能性があるからです。
上記のような理由から、月経開始日から卵管造影検査までの期間は必ず避妊するようにしましょう。
なお、卵管造影検査の直後は子宮内が敏感な状態にあり、痛みを感じやすかったり、感染症のリスクも考えられます。そのため、検査当日も性行為は控え、様子を見ながら翌日以降に再開するようにしましょう。
Q:卵管造影検査はいつ受けるのが良いですか?
卵管造影検査は月経が終わった直後頃に受けることが推奨されています。具体的には月経開始から7〜10日目頃が目安となります。
この時期が適している理由は、妊娠の可能性が低いためです。卵管造影検査はX線を使用する検査であり、万が一妊娠していると受精卵が影響を受ける可能性があるため、妊娠の可能性が低い時期を選ぶ必要があります。
また、月経終了直後は子宮内膜が薄くなっているため、子宮や卵管の形態を正確に観察できる点でも適しています。
卵管造影検査を受けるタイミングについては以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
関連記事:卵管造影検査はいつ受ける?生理終わりかけが適している理由と検査の流れについて解説
おわりに
参考文献
1)厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 令和6年厚生労働省告示第57号 別表第一(医科点数表). 厚生労働省ウェブサイト
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001251499.pdf
2)Wang R, van Welie N, van Rijswijk J, et al. Effectiveness on fertility outcome of tubal flushing with different contrast media: systematic review and network meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2019;54(2):172–181.
https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/uog.20238
3)全国健康保険協会. 医療機関等を受診するとき(療養の給付). 全国健康保険協会ウェブサイト
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3010/r58/