女性ホルモンは、女性の体調や心の安定、妊娠や出産に深く関わる重要なホルモンです。日常生活で意識的に女性ホルモンを増やすことは難しいですが、今回の記事では女性ホルモンの基礎知識や薬物療法の内容、普段の生活で気をつけたいセルフケアなどについて解説しています。特に妊娠を希望する方や更年期に差しかかった方は、ぜひ参考にしてください。
ホルモンとは
ホルモンは、体のさまざまなはたらきを調節する化学物質で、脳からの指示を受けて分泌されます。代表的な役割には、ホメオスタシス（生体恒常性）の維持があり、体温、血圧や血糖値の調節などを行います。
脳の視床下部、脳下垂体、卵巣など体内のさまざまなところで生成され、血液を通じて全身に運ばれて、成長、代謝、月経、妊娠などに影響を与えます。
女性ホルモンの種類と働き
女性ホルモンは、女性のライフステージに応じて異なる役割を果たし、身体や健康に大きな影響を与えます。思春期には成長と成熟を促進し、妊娠を希望する時期には妊娠の準備を整え、更年期に向かうとホルモンバランスの変化が現れ、健康への影響も多様化します。
主な女性ホルモンは以下の2種類があります。
・エストロゲン（卵胞ホルモン）
・プロゲステロン（黄体ホルモン）
それぞれについて解説しましょう。
エストロゲン（卵胞ホルモン）の作用や働き
エストロゲン（卵胞ホルモン）は、女性の体において欠かせないホルモンのひとつです。主に卵巣内の卵胞から分泌され、生理周期の中では、排卵が起こる前に分泌量が増加します。これより子宮内膜が厚くなり、受精卵が着床しやすい環境が整えられます。エストロゲンは、妊娠成立のための土台作りを担っているといえるでしょう。
その他にも、エストロゲンは自律神経や骨量を安定させたり、肌のつやや乳房を発達させて女性らしい体をつくるなどの作用も持っており、美と健康を保つホルモンともいえます。妊娠が成立するとエストロゲンの分泌は妊娠中も続き、胎盤の発育や妊娠の維持に重要な役割を果たします。ホルモンバランスの安定は母体と胎児の両方にとって重要です。
ライフステージの中でも、エストロゲンの分泌量は年齢や体調によって大きく変動します。10代からの思春期には急激に増加して女性らしい体の発達を促し、20歳前後からの性成熟期には排卵や妊娠を支える重要な働きを担います。
一方で、45歳前後からの更年期を迎えると分泌量は急激に減少し、月経の停止やほてり、気分の変化など、さまざまな身体的・精神的変化が現れることがあります。いわゆる更年期障害と言われる症状は、エストロゲンの分泌が減少することが原因です。
特に妊娠を望む時期には、このホルモンの分泌状況が重要な意味を持ちます。
プロゲステロン（黄体ホルモン）の作用や働き
プロゲステロン（黄体ホルモン）も、女性の健康と妊娠において欠かせないホルモンです。排卵後に卵巣内の黄体から分泌され、厚くなった子宮内膜をさらに柔らかく、受精卵が着床しやすい状態へと整えます。
妊娠が成立すると、プロゲステロンの分泌は継続され、子宮内膜を維持して妊娠を支える働きをします。また、乳腺の発達を促す役割もあり、出産後の授乳の準備にも関与しています。
このホルモンは、エストロゲンとともに女性の生理周期を調整しており、排卵後の高温期を保ってからだのリズムを整えています。他にも食欲を増進させたり、体内に水分を保つ働きの一方、眠気やイライラを引き起こす原因になる面もあります。
妊娠を望む際には、排卵後に十分なプロゲステロンが分泌されていることが重要であり、分泌が不足すると着床の維持が難しくなります。
ライフステージによって分泌量は変化し、思春期以降、性成熟期には排卵に伴って一定のリズムで分泌されますが、更年期を迎えると、卵巣機能の低下によりプロゲステロンの分泌も減少します。ホルモンバランスの変化は、月経周期や心身の健康にも影響を及ぼすため、年齢や体調に応じたケアが大切です。
女性ホルモン（エストロゲン・プロゲステロン）を増やす方法
月経周期以外にも、ホルモンはストレスや生活習慣の影響で増減します。特に女性ホルモンが不足している場合、治療を受ける必要がある場合があるので、以下で確認しましょう。
ホルモン補充療法
減少した女性ホルモンを補う薬物療法です。早発閉経や更年期障害の治療などを目的として行われます。生活習慣の改善でも十分な効果が得られず、更年期障害の症状で生活の質が低下している方に勧められる方法です。子宮がんや子宮内膜増殖症のリスクを減らすため、一般的にはエストロゲンと黄体ホルモンの2種類を組み合わせて行われます。
血管が開いて熱を放出する際に起こるホットフラッシュやほてりなどの症状に特に効果的です。また、更年期を過ぎると増える骨粗しょう症や心血管疾患の予防にも有効とされています。薬の種類には飲み薬・塗り薬・貼り薬・腟錠などがあり、医師と相談し、生活スタイルや症状に合った方法を選びます。
ちなみに、海外の大規模な研究によると、5年以上HRTを継続した場合に乳がんリスクが上昇することを示したものがあったり、60歳を過ぎて初めてホルモン補充療法を開始した場合には心疾患や脳卒中、血栓症のリスクが増加したりなどリスクもあるので、使用に関しては、医師と十分相談しましょう。
排卵誘発剤
排卵誘発剤は、排卵障害や黄体機能不全、原因不明の不妊症の治療などに用いられます。妊娠を希望する方に対して使われます。主にクロミフェンクエン酸塩（商品名：クロミッド）やレトロゾール（同：フェマーラ）」が使われており、エストロゲン分泌を促し、卵胞が発育します。同じ排卵誘発剤でも作用機序が異なるため、患者さん一人ひとりに合わせて選択されます。
クロミフェン：抗エストロゲン作用で視床下部を刺激して、卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの分泌を促進します。
レトロゾール：アロマターゼと呼ばれる酵素を阻害してエストロゲン産生を抑制し、下垂体から卵胞刺激ホルモンの分泌を増加させます。
排卵誘発剤の種類については下記の記事もあわせてご覧ください。
女性ホルモンのバランスを整えるセルフケア
女性ホルモンは、ストレスや過労、生活習慣などの影響でバランスを崩すことがあります。
普段の生活でも、ホルモンバランスを整えるために意識的に取り入れたいことをまとめたので、参考にしてください。
栄養バランスのよい食事をとる
ホルモンバランスを整えるためには、栄養バランスのよい食事が欠かせません。
- 主食（ご飯やパンなどの炭水化物）
- 主菜（肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質源）
- 副菜（野菜や海藻、きのこなど）
- 牛乳・乳製品
- 果物
がそろった食事が理想的です。
炭水化物は体のエネルギー源となり、たんぱく質はホルモンの材料として重要です。また、野菜や果物、海藻にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、ホルモンバランスを整える働きがあります。
1日3食の中で主食・主菜・副菜を意識して組み合わせ、牛乳や果物も取り入れるように心がけましょう。
女性ホルモンの働きをサポートする食べ物や飲み物（サプリ）
ホルモンバランスを整えるには、体内で必要な物質の生成や健全な代謝のために、栄養バランスの取れた食事が必要です。具体的に摂り入れたい食べ物には、以下のようなものがあります。
特にビタミンB群やビタミンE、カルシウム、マグネシウムなどは、女性ホルモンの働きに関係していると知られています。
- ビタミンB群：豚肉、うなぎ、納豆、卵、ナッツ類など
- ビタミンE：アーモンド、ごま油、大豆、かぼちゃなど
- カルシウム：干しエビ、チーズ、牛乳、ひじき、など
- ビタミンD：魚類（鮭、いわし、さんまなど）やきのこ類
- オメガ3脂肪酸：サーモンやサバ、いわしなどの青魚
- 亜鉛：牡蠣、豚レバー、牛肉、納豆、ナッツ類
- マグネシウム：海藻類、ナッツ、豆類、玄米
- 大豆イソフラボン：豆腐、豆乳、納豆などの大豆製品
また、飲み物ではハーブティーなどもおすすめです。種類によっては女性ホルモンに似た成分や、ホルモンの分泌を調整する作用を持つ成分が含まれている場合があります。また、心を落ち着かせる効果も期待されています。
不足しがちな栄養素はサプリメントで補うのもひとつの方法ですが、食事が基本であり、サプリメントはあくまで補助的な役割として考えてください。また、過剰摂取はかえって悪影響となる可能性があるため、適量を心がけましょう。
質の良い睡眠をとる
質の良い睡眠は、女性ホルモンのバランスを保つ上でも重要です。睡眠不足や睡眠の質が低下すると、体の修復や成長に関わるホルモン分泌に影響するばかりか、脳も休養しきれません。
女性ホルモン分泌の調整は脳の視床下部や下垂体によって行われているため、女性ホルモンの分泌にも悪影響を及ぼすと考えられます。
質の良い睡眠をとるために、以下のようなことを心がけてみましょう。
- 6時間以上を目安にして睡眠時間を確保する
- できるだけ静かで、適度な温度の就寝環境を整える
- 就寝1～2時間前に入浴する
- 就寝前にはスマートフォンやタブレットの使用を控える
質の良い睡眠を意識して、生活リズムを整えましょう。
適度な運動をする
運動には、エストロゲンの分泌を促し、自律神経や睡眠の質も整える効果があると示されています。
目安として、「会話はできるが歌うのは難しい」と感じる中強度の運動を週150分以上（1日30分×週5回）行うことが推奨されています。ウォーキングや早歩き、ヨガ、ダンス、筋トレなどが効果的です。
特に日常生活の中で無理なく続けられる運動を選び、楽しみながら取り組むことが継続のコツです。体調に合わせて無理なく、自分のペースで運動を取り入れましょう。
生理周期や年齢で異なる女性ホルモンの分泌
女性ホルモンの分泌量は、生理周期や年齢によって変化します。
- 生理周期によるホルモン分泌の変化
- 年齢による女性ホルモン分泌の変化
といった2つの着眼点から、どのように変化するのか見ていきましょう。
生理周期による女性ホルモン分泌の変化
エストロゲンとプロゲステロンは、生理周期に沿って、周期的に分泌量が増減します。
※28日周期の場合の日数を目安で記載しています
・生理期間 1〜 5日目
エストロゲン、プロゲステロンともに分泌量は少ないです。
・卵胞期間 6〜14日目
エストロゲンが徐々に増加して、11日目を過ぎた頃にピークを迎えます。卵巣内の卵胞が成長し、子宮内膜の厚みが増します。プロゲステロンの分泌量は少ないままです。
・排卵期 14日目前後
エストロゲンは、排卵日後急激に減少し、プロゲステロンは、排卵日後、急激に増加します。
・黄体期 15〜28日
エストロゲンは、一度低下した後、再び緩やかに増加して、減少していきます。プロゲステロンは、排卵後に急激に分泌量が増加してピークを迎え、子宮内膜を着床しやすいように変化させます。基礎体温が上がり高温期になります。その後急激に減少して、次の月経を迎えるのです。
また、妊娠すると、エストロゲン、プロゲステロンともに分泌量の多い状態が維持されます。
このように、エストロゲンとプロゲステロンは協調し、女性の生殖能力を支える重要な役割を果たしているのです。
なお、ホルモンが急激に増減する黄体期や生理前の時期には、体調不良や気分の浮き沈みを感じがちです。不調を感じたら無理をせず、休息を取るようにしましょう。
年齢による女性ホルモン分泌の変化
女性ホルモンは、ライフステージによって分泌量が急激に変化していきます。小学校中高学年頃に分泌量が増え始めると、バストの発達や女性らしい体型への変化、初潮を迎えます（第二次性徴）。
18〜20歳頃になると分泌量は安定し、40代半ばまでの性成熟期には一定の量が維持されます。更年期（45〜55歳頃）に入ると急激に分泌量が減少し、さまざまな症状が出現することがあります（更年期障害）。
閉経後はホルモン量がさらに減少し、骨密度の減少や血管の疾患などのリスクが高くなります。
女性ホルモンが少ない場合に起こる心身の変化
女性ホルモンが少ない場合、心身に影響を及ぼす可能性があります。年代ごとに起こりうる具体的な変化を見てみましょう。
10～30代女性
女性ホルモンは、思春期から性成熟期にかけて、心身の健全な発達のために重要な役割を担っています。10〜30代で分泌量が少なくなると、発達段階に応じてさまざまな影響が現れることがあります。
10〜20代では、過度なダイエットや激しい運動によるエネルギー不足が、エストロゲンの分泌に関わる脳の視床下部の機能を抑制する主な原因です。無月経や低エストロゲン状態を引き起こす可能性があります。ターナー症候群などの先天性疾患や早期卵巣機能不全の場合は、生理不順や無月経に加えて乳房発育や初潮遅延などの二次性徴の遅れが目立つでしょう。
一方、性成熟期と呼ばれる20〜30代にかけては、ストレスや不規則な生活習慣によってエストロゲンの分泌量が低下すると、月経周期の乱れや無月経、排卵障害などが起こり、妊娠や出産に関わる機能に影響する可能性もあります。
40代～女性
40代以降になると、いわゆる「更年期」にさしかかります。徐々に卵巣機能が低下し、月経周期が短くなったり長くなったりして、月経周期が不順になり、最終的に閉経します。
エストロゲンは次第に分泌量が低下しますが、このようなホルモンバランスの変化に加え、加齢や性格、体質、環境的な要因で起こるのが更年期障害です。
更年期障害では、主に以下のような症状が見られます。
体の症状：ホットフラッシュ、発汗、ほてり、のぼせ、めまい、動悸、肩こり、冷え、疲れやすさ、関節痛、手足の痺れなど
心の症状：イライラ、落ち込み、情緒不安定、不眠、意欲の低下、不安など
ちなみに、更年期障害の症状は100種類ほどあるとも言われるほど多彩です。現れる症状や程度には個人差がありますが、症状が重いと日常生活に影響する場合もあります。つらいと感じたら婦人科の受診を検討しましょう。
更年期障害が疑われる場合の検査・診断方法
更年期障害が疑われる場合、主に以下の検査が行われます。
詳しい問診：月経周期の変化、現れている症状、これまでにかかった病気、家族歴、職場環境、ストレス要因の有無などを確認します。
婦人科系の検査：女性ホルモンの値、脂質の値などを調べることができます。女性ホルモン値は閉経前後で変動しやすく、あくまでも目安とされています。また、超音波検査などで子宮や卵巣の状態を確認します。
鑑別診断：更年期症状に似た別の疾患を除外します。うつ病、甲状腺機能異常、肝機能障害、貧血、メニエール病、関節リウマチ、椎間板ヘルニアなど、似た症状に合わせた検査が行われます。
更年期障害以外の病気の可能性が除外され、年齢も考慮して「更年期障害」と診断されます。ほかの診療科と連携が必要な場合は、内科や整形外科、心療内科、耳鼻科などに紹介されることもあるでしょう。
女性ホルモンに関連してよくある質問
女性ホルモンに関して、よくある質問をまとめました。
- 漢方薬やで女性ホルモンは増えるか
- 女性ホルモンが多すぎるとどうなるのか
- 女性ホルモンは性行為で増えるか
- 男性にも女性ホルモンは分泌されるのか
気になるものがあれば、ぜひご覧ください。
Q：漢方薬で女性ホルモンは増やせますか？
漢方薬には、直接的に女性ホルモンを増やす働きはありません。しかし、女性ホルモンのバランスが乱れることで生じる月経不順や更年期症状、冷え、イライラなどの不調を和らげる効果が期待できます。
代表的な漢方薬には「当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）」「加味逍遙散（かみしょうようさん）」「桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）」などがあります。当帰芍薬散は冷えや貧血傾向のある方に、加味逍遙散はストレスやイライラが強い方に、桂枝茯苓丸は血行不良や肩こりを伴う方に用いられます。
漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶことが重要です。漢方薬を希望する場合は、婦人科や漢方に詳しい医師・薬剤師に相談しましょう。
Q：女性ホルモンが増えすぎるとどうなりますか？
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあります。
エストロゲンが過剰になると、水分や脂肪の保持作用が強くなって体重増加が起こり、むくみや乳房の張りが生じる可能性があります。また、子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、子宮内膜増殖症などの婦人科疾患のリスクが高くなると言われています。
プロゲステロンが過剰になると、月経前症候群（PMS）や月経前不快気分障害（PMDD）、疲労、倦怠感などの症状が現れることがあります。さらに、プロゲステロンの水分貯留作用によって体重増加やむくみが起こり、皮脂分泌の増加からニキビや肌トラブルが生じやすくなります。
このように、女性ホルモンは増えすぎても体調や心身のバランスに大きな影響を及ぼすことがあります。気になる症状が続く場合は婦人科を受診しましょう。
Q：女性ホルモンは性行為で増えますか？
性行為で女性ホルモンが増えるかは不明確な点も多いですが、調査期間で性行為を行っている女性の方が女性ホルモン濃度が高かったという研究報告もあります1）。
この研究では調査期間中の性行為についてのアンケートと女性ホルモンの濃度を調べています。性的に活動的な女性は、エストロゲンの濃度が14.6%、排卵後のプロゲステロンが41.0%高い傾向が見られました。また、排卵が正常に起きている割合も高く、ホルモンバランスが整いやすい可能性があるとされています。一方で性行為の頻度との関連は示されませんでした。
上記は研究報告の一例であり、あくまで性行為と女性ホルモンの相関関係がある可能性を示すものです。性行為で女性ホルモンが増えたのではなく、女性ホルモンの状態が良好な女性が自然と性的に活動的になるという解釈もできるため、「女性ホルモンは性行為で増える」と言い切れるものではない点に注意しましょう。
Q：男性にも女性ホルモン（エストロゲン）がありますか？
エストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモンは、男性の体内でも生成されます。主に精巣や副腎で生成され、女性に比べると少量ですが、男性の健康にも影響しているのです。
エストロゲンは骨密度の維持や性機能の調整をし、プロゲステロンは、テストステロン（男性ホルモン）との相互作用でホルモンバランスを調節します。
おわりに
参考文献
1）Prasad A, Mumford SL, Buck Louis GM, et al. Sexual activity, endogenous reproductive hormones and ovulation in premenopausal women. Horm Behav. 2014;66(2):330-338.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0018506X14001287
