子宮内膜検査とは?痛みの程度や費用、方法などを紹介

最終更新日時:
2024-07-02
市山 卓彦
市山 卓彦 医師
院長 婦人科 生殖医療科 医師
2010年順天堂大学医学部卒。2012年同大学産婦人科学講座に入局、周産期救急を中心に研鑽を重ねる。2016年国内有数の不妊治療施設セントマザー産婦人科医院で、女性不妊症のみでなく男性不妊症も含めた臨床及び研究に従事。2019年には国際学会で日本人唯一の表彰を受け、優秀口頭発表賞および若手研究者賞を同時受賞。2021年には世界的な権威と共に招待公演に登壇するなど、着床不全の分野で注目されている。2019年4月より順天堂浦安病院不妊センターにて副センター長を務め、2022年5月トーチクリニックを開業。
医学博士、日本生殖医学会生殖医療専門医 / 日本産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科学会専門医指導医 / 臨床研修指導医
torch clinic医師

子宮内膜検査とは?

子宮内膜検査とは、子宮内膜から組織の一部を採取し、子宮内膜が正常なのかどうかを判断するために用いる検査です。子宮内膜検査を実施する目的は大きく分けて2つあり、1つは腫瘍や子宮体がんなどの病気を見つけるため、もう1つは子宮内環境が妊娠に適した状態かを確認するためです。

ひとことに子宮内膜検査といっても実施目的によって検査方法や費用が異なるため、ここでは子宮内膜検査の検査方法別に検査内容や費用などについて詳しく解説します。

子宮内膜生検検査(免疫染色CD138検査)

不妊検査における子宮内膜生検検査(免疫染色CD138検査)は慢性子宮内膜炎検査とも呼ばれ、主に着床不全や反復流産の原因となる慢性子宮内膜炎かどうかを調べるために実施する検査です。

検査方法は、子宮内膜組織を採取し、採取した細胞組織の免疫染色を行う形で実施します。慢性子宮内膜炎の場合、子宮内膜組織にCD138細胞(形質細胞)が複数存在することが多いことがわかっているため、CD138細胞だけに色がつく特殊なマーカーを使うことで、慢性子宮内膜炎かどうかの診断を行うことができます。

どんな検査?

子宮内膜生検検査は、特殊な器具を使って膣壁を広げ、細い管を子宮内へ挿入することで子宮内膜から細胞組織を採取するので、生理痛のような痛みを伴います。痛みには個人差がありますが、基本的には麻酔は不要です。スムーズに進めば1分程度で処置が終わりますが、痛みが心配な場合は事前に医師に痛み止めを使用できるかを聞いておくと良いでしょう。

費用はどのくらい?

子宮内膜炎を調べる目的での子宮内膜生検検査は保険が適用されないため自費診療です。費用相場は14,000〜17,000円程度です。2024年6月現在、子宮内膜生検検査は先進医療ではないため、自治体の助成を受けることはできません。

ERA(子宮内膜着床能検査)

ERA(子宮内膜着床能検査、または子宮内膜受容能力検査)とは”Endometrial Receptivity Analysis”の略称で、原因がわからない反復着床不全や反復流産が起こっている際に行う検査です。着床しやすい時期である「着床の窓」を遺伝子レベルで調べるために行います。

反復着床不全の患者さんを対象にERAを実施したところ、「着床の窓」のずれが約26%の方に認められたという研究結果があるため、ERAを実施することは妊娠率を高める上で大切な検査といえます。

どんな検査?

ERAの検査のざっくりとした流れは、子宮内膜が胚の着床に適していると考えられる日に子宮内膜の組織を採取し、採取した組織を検査会社に送付し結果を待つといった流れになります。場合によっては子宮内膜組織を採取する前にエストロゲン製剤とプロゲステロン製剤を使用し、子宮内膜の厚さとホルモン検査をした後に子宮内膜の組織を採取するといった流れになることもあります。

具体的な検査内容としては、ピペットキュレットまたはピペールと呼ばれる細い器具を子宮に挿入して子宮内膜の組織を採取します。時間は5分程度で終わります。組織を採取するときに多少の痛みを感じますが、軽微なため原則としては麻酔は行いません。また、もし子宮の入口が狭い場合や硬い場合は入口を拡張するための処置が必要になることもあります。痛みが心配な場合は、事前に担当医に相談しましょう。

検査結果が出るまでは約2〜3週間程度かかります。検査の結果、「着床の窓」の範囲内だった場合は再検査不要ですが、「着床の窓」の範囲外だった場合や、子宮内膜検体の採取量が少なく検体不良だった場合は再検査が必要になることもあります。

また、この検査を実施する場合は、検査の準備を開始したときから検査日まで避妊をする必要があるため注意してください。

費用はどのくらい?

ERAは保険が適用されないため自費診療です。検査費用の相場は130,000〜170,000円程度が目安になります。2024年6月現在、ERAは先進医療として認められているため、自治体の助成を受けることができます。

EMMA・ALICE(子宮内細菌叢検査)

EMMA・ALICEはいずれも子宮内の細菌の存在を確認するための検査です。EMMAは子宮内膜マイクロバイオーム検査とも呼ばれ、子宮内の細菌の割合を調べ、乳酸菌(ラクトバチルス属の菌)が90%以上存在しているかどうかを調べるために行います。ALICEは不妊症の原因となる慢性子宮内膜炎を起こす細菌の存在を確認するための検査です。EMMAとALICEはいずれも子宮内の細菌を確認する検査のため、片方だけでなく同時に行うことが多いです。

どんな検査?

EMMA・ALICEのざっくりとした流れは、子宮内膜が厚くなる高温期(月経から約15〜25日目頃)と考えられる日に子宮内膜の組織を採取し、採取した組織を検査会社に送付し、結果を待つといった流れになります。

具体的な検査内容としては、ピペットキュレットまたはピペールと呼ばれる細い器具を子宮に挿入して子宮内膜の組織を採取します。時間は5分程度で終わります。組織を採取するときに多少の痛みを感じますが、軽微なため原則としては麻酔は行いません。また、もし子宮の入口が狭い場合や硬い場合は入口を拡張するための処置が必要になることもあります。痛みが心配な場合は、事前に担当医に相談しましょう。検査結果が出るまでは約2〜3週間程度かかります。

また、この検査を実施する場合は、検査の準備を開始したときから検査日まで避妊をする必要があるため注意してください。

費用はどのくらい?

EMMA・ALICEは保険が適用されないため自費診療です。検査費用の相場は大体60,000〜80,000円程度です。ERAと同時に受けることもできますが、検査費用の相場は150,000〜220,000円とばらつきがあるため、事前に担当医に確認しましょう。

2024年6月現在、EMMA・ALICEはいずれも先進医療として認められているため、自治体の助成を受けることができます。

子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査2)

子宮内フローラ検査とは、子宮内または膣に存在する善玉菌(ラクトバチルス属の菌)の量や割合を調査するための検査です。近年の研究では、子宮内の善玉菌の割合が90%以上であると妊娠率及び生児獲得率が高いという結果が報告されているため、子宮内フローラ検査は妊娠を考えている方にとって大切な検査のひとつです。

どんな検査?

具体的な検査内容としては、綿棒またはピペット(吸引方式採取器具)を使用して腟内擦過物や子宮内腔液(いわゆる膣内の分泌物)を採取し、検体を検査会社に送ることで検体中に含まれる善玉菌の割合を調べるという形で行います。検査時間は短時間で終わりますが、分泌物を採取する際に多少の痛みや少量の出血を伴うことがあります。

費用はどのくらい?

子宮内フローラ検査は保険が適用されないため自費診療です。検査費用の相場は40,000〜50,000円程度が目安になります。2024年6月現在、子宮内フローラ検査は先進医療として認められているため、自治体の助成を受けることができます。

おわりに

トーチクリニックでは、将来妊娠を考えている方向けのブライダルチェックなども提供しています。ブライダルチェックは、将来の妊娠に備えることを目的に、結婚や妊娠を控えたカップルを対象にした健康状態の確認のための検査です。

トーチクリニックは恵比寿駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、週6日(平日・土日祝)開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。

医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。

ブライダルチェックにご関心のある方は、お気軽にご相談ください。ブライダルチェックのご予約はウェブからも受け付けております

また、ブライダルチェックについての解説記事もご参考ください。