不妊治療に使用される薬剤

最終更新日時:
2023-12-13
医師
torch clinic医師

当院で使用している薬剤の一覧

当院で使用している薬剤は以下になります。

排卵誘発剤

内服薬

  • クエン酸クロミフェン: クロミッド®︎
  • レトロゾール: フェマーラ®︎

注射

  • hMG製剤:HMGあすか®︎
  • FSH製剤: ゴナールエフ皮下注ペン®︎(自己注射ペン)、ゴナールエフ®︎(バイアル)

排卵を抑制する薬剤

  • GnRH Agonist(点鼻薬): ブセレリン点鼻薬®︎
  • GnRH Antagonist: セトロタイド®︎

排卵を誘起する薬剤(trigger)

  • GnRH Agonist(点鼻薬): ブセレリン点鼻薬®︎
  • HCG:HCG5000単位「F」®︎
  • コリオゴナドトロピン アルファ:オビドレル®︎(自己注射ペン)

ホルモン剤

エストロゲン製剤

  • ジュリナ錠®︎
  • エストラーナテープ®︎

プロゲステロン製剤

  • デュファストン錠®︎
  • ルティナス腟錠®︎
  • ルテウム腟錠®︎
  • ウトロゲスタン腟錠®︎
  • ワンクリノンゲル®︎

排卵誘発剤

内服薬

クロミッド®︎

【作用】視床下部のエストロゲン受容体に結合し、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌を増加させます。FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌増加により卵巣を刺激することで、卵胞を育てる作用があります。

【薬価】96.4円/錠

【使用方法】1回1錠 1日1回×5日間 または 1回1錠 1日2回×5日間

【副作用】目の霞み、内膜の菲薄化、多胎妊娠、頭痛など

【注意点】

  • 医師の指示通りに内服してください。
  • 目のかすみなどがあらわれることがあるので、自動車の運転や危険をともなう作業は避けてください。
  • 授乳中の方は必ず医師に相談してください。

フェマーラ®︎

【作用】

  • アロマターゼ(エストロゲン合成酵素)阻害作用により、FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を増加させ、卵胞を育てる作用があります。
  • 卵巣過剰刺激症候群の発症抑制の効果があります。

【薬価】321.1円/錠

【使用方法】1回1錠 1日1回×5日間 または 1日2回×5日間

【副作用】ほてり、頭痛、関節痛、悪心、多胎妊娠など

【注意点】

  • 医師の指示通りに内服してください。
  • 授乳中の方は必ず医師に相談してください。

注射薬

hMG製剤:HMGあすか®︎

【作用】脳の下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体ホルモン)の成分が含まれています。HMGを投与することで、卵胞を大きく育てることができます。

【薬価】1,331円/本

【使用方法】通常月経3日目から開始します。卵胞が育つまで、HMG製剤[300 or 150]単位を2日間、その後、(HMG製剤[150]単位を連日、お腹に皮下注射を行います。注射する時間はいつでも構いません。注射することを忘れないように、ご自身でいつ注射をするか決めて投与するようにしましょう。※ご自身での注射が行えない場合、来院回数は増えてしまいますが、ご来院いただき注射することも可能です。

【副作用】発赤 、 発疹 、 注射部位の疼痛 、 頭痛 、 浮腫、卵巣過剰刺激症候群

FSH製剤: ゴナールエフ皮下注ペン®︎(自己注射ペン)、ゴナールエフ®︎(バイアル)

【作用】脳の下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)の成分が含まれています。ゴナールエフを投与することで、卵胞を大きく育てることができます。

【薬価】

・ゴナールエフ皮下注ペン®︎ 450単位 17,529円/本

・ゴナールエフ皮下注ペン®︎ 900単位 30,389円/本

・ゴナールエフ皮下注用®︎ 150単位   3,713円/瓶

【使用方法】通常月経3日目から開始します。卵胞が育つまで、FSH製剤[300 or 150][900 or 450] 単位を2日間、その後は別の薬剤(HMG製剤)を連日、お腹に皮下注射を行います。注射する時間はいつでも構いません。注射することを忘れないように、ご自身でいつ注射をするか決めて投与するようにしましょう。

【副作用】発赤 、 発疹 、 注射部位の疼痛 、 頭痛 、 浮腫、卵巣過剰刺激症候群

排卵を抑制する薬剤

点鼻薬

GnRH Agonist: ブセレリン点鼻薬®︎

【作用】GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の誘導体であり、投与初期は一過性に性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の分泌が増加します(フレアアップ)。長期間使用することで、脳下垂体からのゴナドトロピンの分泌が抑制されます(ダウンレギュレーション)。LHサージ(LHサージが起こると排卵する)が起こらなくなり、排卵しなくなります。

【薬価】5073.9円/瓶

【使用方法】1日3回、8時間毎に左右の鼻腔内へ1プッシュずつ噴霧します。投与期間は医師の指示に従ってください。

【副作用】下腹部痛、腰痛、ほてり、頭痛、吐き気、食欲不振など

注射薬

GnRH Antagonist: セトロタイド®︎

【作用】GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)に対し拮抗的に作用し、十分に卵胞が発育する前にLH サージが起こることを防ぐことができます。

【薬価】9057円/瓶

【使用方法】卵胞が十分に育ったことを確認し、排卵を抑制するためにセトロタイド®︎を皮下注射または筋肉注射をおこないます。

【副作用】発赤、熱感、注射部位の腫脹、頭痛、 悪心 、下痢など

排卵を誘起する薬剤(trigger)

GnRH Agonist(点鼻薬): ブセレリン点鼻薬®︎

【作用】一過性にFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体ホルモン)の分泌を増やし、フレアアップによる自然なLHサージにより排卵を誘発する作用があります。本来は子宮内膜症や子宮筋腫などの治療に用いられる薬ですが、排卵誘発のトリガーとしての使用方法もあります。

【薬価】5073.9円/瓶

【使用方法】医師が指示した時間に、鼻腔内へ右左右の順、30分後に左右左鼻の順で1プッシュずつ噴霧します。投与時間は必ず医師の指示に従ってください。

【副作用】下腹部痛、腰痛、ほてり、頭痛、吐き気、食欲不振など

ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤:HCG「F」®︎

【作用】LHと類似の作用を持つ成分が含まれており、投与することで意図的に排卵を誘発することができます。

【薬価】1,290円/アンプル

【使用方法】排卵を意図的に調整可能なため、採卵日の36-42時間前にHCGを筋肉注射で投与します。自己注射する際は、アンプルから溶解液をシリンジに吸い上げ、薬剤を溶かした後に投与が必要です。

【副作用】 卵巣過剰刺激症候群、卵巣腫大、下腹部痛、腹水 、頭痛、発疹、注射部位の疼痛、硬結

オビドレル®︎(自己注射ペン):遺伝子組換えヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤

【作用】HCGと同様の作用があり、投与することで意図的に排卵を調整することができます。

【薬価】2,906円/筒

【使用方法】排卵を意図的に調整可能なため、採卵日の36-42時間前にオビドレル®︎を皮下注射で投与します。最初から針付きのシリンジに薬が充填されているため、自身で針の付け外しや、薬剤を調合する必要はありません。

【副作用】卵巣過剰刺激症候群、卵巣腫大、下腹部痛、腹水 、頭痛、発疹、注射部位の疼痛、硬結

ホルモン剤

エストロゲン製剤

ジュリナ®︎

【作用】経口投与で補充できる卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤で、子宮内膜を厚くする作用があります。

【薬価】56.9円/錠

【使用方法】主に胚移植時に使用します。生理3日目から内服し、徐々に増量していきます。

当院での服用方法は

生理3-4日は1日2回、1回2錠朝夕食後(12時間毎)

生理5-6日は1日3回、1回2錠朝昼夕食後(8時間毎)

生理7日からは1日3回、朝3錠・昼2錠・夕3錠(8時間毎)と内服します。

薬剤の増減については診察しながら判断していきます。

【副作用】血栓、腹痛、腹部膨満感、性器分泌物、性器出血、乳頭痛、乳房痛など

【注意点】

  • 医師の指示通りに内服してください。
  • 食事の有無に関係なく内服してください。
  • 血栓症の症状がある際は内服を中止し速やかにご連絡ください。
  • 肝機能異常を指摘されている方、乳がんや血栓症の既往がある方は必ず医師に相談してください。
  • 授乳中の方は必ず医師に相談してください。

エストラーナテープ®︎

【作用】お腹に貼ることで、卵胞ホルモン(エストロゲン)を皮膚から吸収でき、子宮内膜を厚くする作用があります。

【薬価】89.6円/枚

【使用方法】下腹部か臀部(お尻)のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替えます。

薬剤の増減については診察しながら判断していきます。

【副作用】接触皮膚炎、不正出血、消退出血、帯下、貼った所の紅斑・かゆみ、乳房緊満感、乳房痛など

【注意点】

  • 医師の指示通りに2日ごとに貼り替えて使用してください。
  • 乳癌の既往歴、未治療の子宮内膜増殖症、血栓性静脈炎・肺塞栓症またはその既往歴のある方は必ずお申し出ください。
  • 授乳中の方は必ず医師に相談してください。

プロゲステロン製剤

内服薬

デュファストン®︎

【作用】経口で補充する黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤で、子宮内膜を脱落膜化させ、受精卵や胚が着床しやすい環境を整えます。また、着床後も補充を続けることで、妊娠を維持する働きもあります。

【薬価】30.7円/錠

【使用方法】一般不妊治療の場合は、排卵していることを確認してから1回2錠、1日2回朝夕食後に内服します。胚移植時は、十分に内膜が厚くなってから内服します。1日3回、朝3錠・昼2錠・夕3錠(8時間毎)と内服します。

【副作用】発疹 、蕁麻疹 、肝機能異常 、悪心 、嘔吐 、食欲不振 、頭痛 、眠気 、浮腫など

【注意点】

  • 医師の指示通りに内服してください。
  • 肝障害・肝疾患を指摘されている方はお申し出ください。
  • 授乳中の方は必ず医師に相談してください。

腟剤

【作用】腟に直接挿入することで作用する黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤で、子宮内膜を脱落膜化させ、受精卵や胚が着床しやすい環境を整えます。また、着床後も補充を続けることで、妊娠を維持する働きもあります。胚移植時に使用します。腟に薬剤を挿入する方法は肝臓で代謝されることなく、粘膜から直接ゆっくりと薬剤を吸収できます。

【副作用】内服薬と同様です。

ルティナス腟錠®︎

【薬価】361.3円/錠

【使用方法】1日3回(朝・昼・夕)1錠ずつ腟内に投与します。発泡性の錠剤のため、投与直前に取り出してください。専用のアプリケータを用いることで、腟の奥まで薬剤を挿入しやすくします。手前に腟錠を挿入してしまうと、薬剤が漏れ出てしまったり、効果が薄まる可能性もあるため正しく挿入することが必要です。手が汚れにくく衛生面も保ちやすく、ネイルなども気にせずに薬剤投与することができます。

ルテウム腟錠®︎

【薬価】541.9円/錠

【使用方法】ルテウム腟錠®︎は、1日2回(朝・夕)1錠ずつ腟内に投与します。時間帯はいつでも良いですが、挿入後すぐに動き出すと腟外に薬剤が出てきてしまう可能性もあるため、朝起きてすぐに挿入し、夕は入浴後〜寝る前の挿入をおすすめしています。挿入方法は、先端の細い部分を上に持ち、少し挿入したらできるだけ奥に押し込みます。目安として、薬剤を持っている指の第2関節が見えなくなるくらいまで挿入します。

【注意点】

  • 25℃以下の涼しい場所(冷蔵庫など)での保管が望ましいです。
  • 1度溶けた薬剤は使用しないでください。
  • 飲み薬ではありませんので、飲まないよう注意ください。
  • 腟坐薬のため、肛門には挿入しないでください。
  • 妊娠中・授乳中の方は医師に相談してください。

ウトロゲスタン腟錠®︎

【薬価】361.3円/錠

【使用方法】ウトロゲスタン腟錠®︎は、1回1カプセルを1日3回(朝・昼・夕)1錠ずつ腟内に投与します。楕円形のカプセルになっています。カプセルを両手でつまんで、人差し指か中指でできるだけ奥に押し込んでください。少し挿入したらできるだけ奥に押し込みます。目安として、薬剤を持っている指の第2関節が見えなくなるくらいまで挿入します。

【保管方法】光を避けるため、付属のアルミチャック袋をお渡ししています。室温(1℃から30℃)で保管してください。

ワンクリノンゲル®︎

【薬価】1083.8円/本

【使用方法】ワンクリノンゲル®︎はゲルタイプのお薬で、1回1本、1日1回腟内に投与します。専用のアプリケータの中にゲルが充填されており、使用前に包装を破り、アプリケータを3-4回強く振ってゲルが細い方に集まるようにします。平たい部分を持ち、細い方の端にあるねじ切りタブをねじって切り外します。その後は、アプリケータを腟に差し込み、バルブ部分を押してゲルを腟内に注入します。使用後のアプリケータは普段のゴミと一緒に捨てて良いです。使用後数日で白っぽいゲルがポロポロと出てきますが、ゲルの残りであって異常ではありませんので安心してください。

【保管方法】室温(1℃から30℃)で保管してください。夏場などで室温が30℃以上になる場合は冷蔵庫内で保管することが推奨されています。