不育症検査の内容
不育症の検査として代表的なものは、子宮形態検査、内分泌検査、染色体検査、抗リン脂質抗体検査です。以下にそれぞれについて解説します。
子宮形態検査
子宮の形の異常が不育症の原因となることがあります。代表的なものは中隔子宮という生まれつきの形態異常です。子宮の形を調べるために、子宮卵管造影検査や経腟超音波検査を行います。
内分泌検査
甲状腺機能異常や糖尿病は、流産や死産のリスクを高めます。そのため血液検査により甲状腺ホルモン量や血糖値を測定し、疾患の有無を調べます。
夫婦染色体検査
赤ちゃんに染色体の異常がある場合は流産になることが多いです。赤ちゃんの染色体の異常は、お父さん、お母さんの染色体の異常が原因となる場合があります。染色体の検査は血液検査によって調べることができますが、染色体の異常は遺伝することがあり、治療することはできないため、検査を行う前に十分な遺伝カウンセリングを行う必要があります。
抗リン脂質抗体検査
抗リン脂質抗体が血液中に多いと、血液が固まりやすくなります。そのため、母親が抗リン脂質抗体を持っている場合、胎盤の血管の中に血液の塊(血栓)ができることで赤ちゃんへ栄養や酸素が入っている血液が十分に届かなくなってしまい、流産してしまうことがあります。
不育症検査を受けるタイミング
一般的には、流産や死産を2回繰り返すと不育症と診断され、検査がすすめられます。一方で、血栓症や抗リン脂質抗体症候群のような不育症リスクとなりうる持病を持っている、また不妊治療時に不育症リスクを知りたい場合も、不育症検査を受けることができます。
不育症検査の費用や助成金について
トーチクリニックでは、27,000円で不育症スクリーニングを実施しています。また、東京都では、検査開始時点での妻の年齢が43歳未満であり、不育症と診断された夫婦に対して、5万円を上限として検査の費用を助成しています。詳細は都のホームページをご覧ください。
なお、東京都外でも自治体によっては検査費用が助成される場合がありますので、ご在住の自治体ホームページをご覧ください。
よくある質問
不育症検査の結果はどれくらいで出ますか?
検査内容によります。分析の必要がある内分泌検査や抗リン脂質抗体検査は結果が出るまで約1週間、また夫婦染色体検査では約3週間かかります。
不育症でも妊娠できますか?
妊娠が成立しない不妊症と異なり、不育症は妊娠できるものの、その後に流産や死産が起こってしまう状態です。不育症のリスク因子を検査によって特定することで、それぞれのリスク因子に合った治療を受け、流産や死産を予防することができます。例えば抗リン脂質抗体症候群が原因の場合は、低容量アスピリン・ヘパリンの内服や自己注射を実施します。
おわりに
トーチクリニックでは、医師による診断や治療のカウンセリングに加えて、心理カウンセラーが心理的な負担や人に話しにくい悩みなど、医療での解決が難しい「お困りごと」について一緒に考える機会も提供しています。
恵比寿駅から徒歩1分の便利な場所に位置し、週6日(平日・土日祝)開院しており、働きながらでも通いやすい環境を提供しています。
不妊治療にご関心のある方は、お気軽にご相談ください。ご予約はウェブからも受け付けております。
また、すでに不妊治療を受けている方々のお悩みやセカンドオピニオンにも対応しております。セカンドオピニオンを含めたクリニックへのよくあるご質問はこちらをご参考ください。